小さい頃、その体験を良く聞かされました。
当時、叔父は学徒動員で長崎造船所におりました。
原爆投下の当日も工場内にいて、友人と共に作業をしていたと言います。
その中でも今でも頭から離れない話。
「投下の瞬間、閃光と一瞬の間をおいての爆風に訳がわからなくなった。気が付くと目の前にいた友人は工場の隅まで吹き飛ばされていた。俺は運よく設備の陰にいて助かったが、友人を助けようとそれは必死だった。駆け寄ってみたら、その腹は裂け腸が飛び出している。これは大変だ何とかしなければと、その腸を懸命に手繰り寄せて腹の中に押し込んだ。押し込んでも押し込んでもズルズル出てくるんだ。今から思うと何であんなことしたのかわからんが、とにかくそうしたら助かる気がした。その温かみは今でも忘れられん・・・」
私もその話を聞いて、その友人の腸の温かみがわかる様な気がしました。
自分の大切な人が流す血の温かみを想像してみてください。
自分の大切な人の裂けた肉体の温かみを想像してみてください。
残念ながら、世界ではおそらく今この瞬間にもそれを体験している人がいます。