マイケル・ムーア氏のインタビュー記事です。
引用かつポイント抜粋かつ気に入ったところ太字にて。
明解です。
《引用》
小泉首相が「華氏911」を「政治的に偏っているから見たくない」と語った
ことについては「自国民よりブッシュを愛していると公言したようなものじゃな
いか。知的な人間なら、様々な意見や真実に好奇心を持つものだろう? 真実に
目を伏せ、無知なままでいたいだなんて、最愛のブッシュに似てきたね」と皮
肉った。
「制作の意図は観客に伝わっていると思う。映画館から出てきた人々の感想は
『ブッシュは何て悪いやつだ』じゃない。『初めて見聞きすることばかり』だ。
イラク戦争は戦うに値する戦争だったのかどうか。考えるのに必要な情報を、主
流メディアが伝えなかったからだ。新聞やテレビは一体何やってたんだ、と観客
は怒っている」
「私の仕事は、人々が見ないでいたものを目の前に突きつけることだ。主流メ
ディアのエリート連中には、恥じ入ってほしいものだ。あなた方が怠けてしな
かったことを、こんな野球帽をかぶった高卒の男(ムーア氏本人)が世界中で映
像を掘り起こして、補っているんだから」
「これは事実を積み重ねたドキュメンタリー映画。プロパガンダ(政治宣伝)
じゃない。スクリーンでは、ブッシュもラムズフェルド(国防長官)も、無名の
兵士も、あるがままに登場させた。新聞やテレビが、それこそさんざん行ってき
た戦争プロパガンダの解毒剤でもある」
日本については、こう問いかける。
「戦争の恐怖を最も知っている日本が、イラク戦争に加担する道を選んだの
は、まったく悲しいことだ。第2次大戦後、日本は世界で、平和のたいまつのよ
うな存在だったはずだ。60年大事にしてきたものを、ブッシュへの貢ぎ物にし
てしまった。それで日本はより安全になったのかい」
ムーア氏を突き動かすものは何なのか。
「目下の目標はブッシュを政権から追い落とすことさ。だが最終的には、一握
りの金持ちの支配からアメリカを救い出したい。超大国といいながら、子供の5
人に1人が、まともな教育も医療も受けられない貧困の中で暮らしている。イラ
ク戦争も、戦場で戦っているのは貧乏人の息子や娘だ。戦争を仕掛けた閣僚や議
員、戦争で利益を得る石油企業の重役の息子らが、真っ先に行くべきなんだ。徴
兵制は復活させるべきだ。そうすれば戦争はうんと減るだろう」
《引用終わり》