8月30日の各紙が、インドのミサイル実験成功をいっせいに報じている。
すなわち8月29日に東部のオリッサ州沖合いで核弾頭の搭載が可能な中距離
弾道地対地ミサイル「アグニ2号」(射程距離二千キロ)の発射実験に成功し
たという。報道によればインドは今年7月上旬にも短距離ミサイル「アグニ1号」
を実験しているという。
周知のようにインドはパキスタンとカシミール問題で核戦争も辞さないほどの
緊張関係にある。パキスタンも負けじと軍事拡張を行うであろう。いまや世界中で
どんどんと軍事拡張が行われている。
このようなときこそ日本の憲法9条の価値が高まるのである。
もし日本が平和憲法を捨てて世界の軍事拡大競争に参加をしていったらどうなるか。
莫大な予算を使って国民経済を圧迫することは間違いない。しかも今更日本が自主
防衛できるほどの強力な軍事国家になれるとは思えない。米国の軍事戦略の補完的
役割を示す国になるに過ぎない。ただの軍事国家である。そして世界からは警戒さ
れることになる。
そんな国になるよりも世界の軍拡の流れに逆らって一人平和憲法を維持する事を
世界に示したほうがはるかに日本の価値は高まるし尊敬を売る事が出来る。
日本のような経済、技術の進んだ国が二度とそれを軍事に活用しないと宣言すれば
どれほど世界の国民の喝采を受ける事か真剣に考えたほうが良い。
今まで日本は一度だってその気になって平和国家であることを身をもって示した
事があったか。平和憲法を本気になって実践したことがあったか。
軍事国家なんて誰でもなれるのである。
誰もが出来ない事を人に先駆けてする、そうすることによってはじめて日本の価値が
認められるのである。
今の小泉政権はまったくその逆をやっている。彼が国連でどのような演説を行おう
とも世界は米国に追従する浅薄な日本という目で受け止めること間違いない。