ロシア連続テロ、チェチェン独立派司令官が犯行声明(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0917/011.html
チェチェンのバサエフ司令官、学校占拠などで犯行声明(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040917i407.htm
露学校占拠:チェチェン独立派バサエフ司令官が犯行声明(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040918k0000m030105000c.html
学校占拠 最強硬派が犯行声明 露政権、犯人側挑発か(産経新聞)
「中央集権」狙い政治利用
http://www.sankei.co.jp/news/040918/morning/18int001.htm
どうにも核心を避けているようにしか思えない「朝日新聞」に対して、もっとも突っ込んで報じていると思われるのが「産経新聞」というのも興味深いです。
しかし、いずれにしても次のような重要な情報はいずれの新聞からも伝わってきません。
アフメド・ザカーエフ バサーエフ声明を評す(Chechen Watch)
http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=1&ID_Message=1465
国営通信社チェチェンプレスは、アフメド・ザカーエフ文化出版情報相にベスランテロ事件の責任を負うというシャミル・バサーエフの声明についてコメントを求めた。
色いろな世界の通信社の問い合わせに答えたことの繰り返しになるが話そう。プーチンは、これまで再三、民主的に選出されたチェチェン共和国(イチケリア)大統領マスハードフとは、絶対に交渉を行わないとしてきた。ところが、ベスランの悲劇の後、我われの全てが、プーチンはマスハードフに隠れて、合法的なチェチェン政府とは全く無関係なシャミル・バサーエフと交渉を行っていたという事実の目撃者となった。これらの交渉の事実は、多くのロシアのマスコミ報道、ロシア連邦議会代議員たちとロシア連邦大統領顧問アスランベーク・アスラハーノフといったクレムリン高官の発言によって裏付けられている。我われは、このようなプーチン大統領とシャミル・バサーエフの一連の交渉が、子どもたちの大量殺戮によって終わったことの目撃者ともなった。
これに関連してロシア社会、国際社会に対して、今回も、将来も、かようなプーチンとバサーエフの裏取引は、全く不法なものであって、いかなる結果がでようともチェチェン政府にとって全く法的根拠を持たないものだと強調しておきたい。 チェチェン政府指導部は、再三にわたりロシア・チェチェン紛争は軍事的には解決できないとしてきた。我われは、政治的問題の解決を暴力を持ってしようとする動きに厳しく反対してきた。ウラジーミル・プーチンとシャミリ・バサーエフが採っている、政治目的達成に暴力を用いる手法は採用できない。それは戦争を拡大し、チェチェンとロシア両国民の相互憎悪をより深めるだけである。我われは国際社会の介入なしには長期的なチェチェン平和の達成はありえないと確信する。
ここでウラジーミル・プーチンと違ってシャミリ・バサーエフは、国際法の遵守を訴えてきたことを指摘しておきたい。シャミリ・バサーエフは再三にわたりジュネーブ条約の戦争規定の遵守をプーチンに呼びかけてきた。そしてロシア連邦首脳が合意するなら、全てのテロ活動を止める用意があるとしてきた。またシャミリ・バサーエフは再三にわたって反テロリズム連合を組む各国政府首脳に対し、彼らの同盟者であるプーチンのチェチェンにおけるテロ行為を止めさせるよう呼びかけてきた。しかしながら、連合参加諸国首脳も、プーチンもこのシャミリ・バサーエフの呼びかけには反応しなかった。この結果がベスランの悲劇をもたらしたのだ。
チェチェン共和国(イチケリア)大統領アスラン・マスハードフは、一連の声明を通じてベスランでのテロ行為を厳しく糾弾し、プーチンのチェチェンにおけるジェノサイドを食い止めるのに、テロという方法をとることは不道徳的であり、絶対に容認できないものとしている。ロシアのコーカサス政策がプーチンによって執り行われている限り、チェチェンにもバサーエフ流の発想が出てくることは、不可避なのである。
2004.09.18. チェチェンプレス 政府情報部http://www.chechenpress.info/news/2004/09/18/01.shtml
訳: 岡田一男