2004年09月28日

転載/国防論を説くナショナリストへの返信

小林直樹著 憲法第九条 岩波新書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004201969/qid=1096380205/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/250-3037461-6095430
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冒頭「序に代えて」より

国防論を説くナショナリストへの返信

Sさん(第九条批判の便りを寄せた未知の男性)

 非武装平和主義を”非現実的”だと批判するお手紙を拝読しました。国の独立と安全を願い、自由な秩序を守るために、ある程度の軍備をもつ必要は絶対にあるという論旨は、それなりに理解はできますし、何よりも真剣に物事を考えておられる点には、心情的にある種の共感さえ覚えました。しかし、”賊の侵入を防ぐためにカギを備えるのは当然だ”というような議論は、率直にいってあまりにも単純すぎて、現代のダイナミックな軍事と政治の脈絡をとらえるには程遠いものがあります。それに何よりも、「国防」を第一義とする軍事組織は、不動のカギなどでは決してなく、いつのまにか自己肥大の運動を始めて、母屋である国を壊したり乗取ったりする怪物になりやすい本性をもっています。続きを読む
posted by PPFV at 23:34| Comment(3) | TrackBack(2) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする