この国の違憲訴訟(天木直人メディアを創る2007/4/27)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0048 26日、東京地裁で違憲訴訟の判決が下された。小泉首相や石原都知事の靖国参拝を違憲とする訴訟に、東京地裁の柴田寛之裁判長は「訴えの利益がない」として門前払いをした。憲法判断を回避したのだ。
27日の毎日新聞の報道によれば、全国6地裁で起こされた靖国訴訟はこれで1審判決が出揃ったという。福岡地裁判決(04年4月)が「宗教的活動にあたる」として違憲と判断した以外、裁判長はすべて憲法判断を放棄した。
判決について小泉首相は26日夕官邸で記者団から質問され、「裁判にされるような問題じゃないと思うんですけどね」と語った。石原都知事は、「判決は極めて当然。差し止めを求める事自体がおかしい」とのコメントを発表した。
違憲訴訟については、靖国参拝と並んで自衛隊のイラク派遣違憲訴訟が全国で行われている。私も名古屋訴訟の原告の一人に名を連ねている。北海道の箕輪元自民党衆議院議員の違憲訴訟も何度か傍聴した。憲法を少しでも学んだ者ならば自衛隊のイラク派遣が違憲であることはわかるはずだ。しかし裁判官はここでも正面から違憲審査をしようとはしない。やはり「訴えの利益がない」として門前払いに違いない。
この国の司法はどうなっているのか。これほどまでに政治に屈していいのだろうか。裁判官は出世に目がくらんだ官僚に成り下がっている。「法の支配」の崇高さから目をそむけている。どのような権力者であっても法の前には平等である。法を犯せば等しく裁かれなければならない。なぜこの民主主義の基本を大切にしないのか。何のために法曹を志したのか。
違憲訴訟は続けよう。裁判官が権力を裁く事が出来なくても、我々が彼らを裁くのだ。「法の支配」を無視する者は、「法の支配」によって必ず仕返しを受けるようにしなければならない。
「三権分立」など学校で習いはするがもはや有名無実と言われて久しい(中には例外的にそうでない裁判官もいます)。天木氏の主張に同感ですが、中でも石原都知事の発言はよく考えると面白いです。「判決は極めて当然」・・・今回の判決はあくまで「憲法判断を放棄」したのです。石原氏が喜べるのは唯一「靖国参拝は合憲」と判断されたときではないのでしょうか?憲法判断を放棄した今回の裁判に何故怒らないのでしょう(いつもの調子で)、何故「合憲判決ではないのだ」と。
どうやら石原氏も「合憲」だとは思っていないようですね。せめて「違憲判決でなくて良かった」といったところでしょうか。政府の犬に成り下がった裁判長は、大いにその犬振りを発揮して「合憲判決」を出せばいいでしょう。その先には夢のような出世の道が開かれているのですから。しかし、どんなに屁理屈こねようが堂々と「合憲判決」は出せないのです。
結果、この6地裁における靖国訴訟一審判決では福岡地裁での「違憲判決」こそあれ「合憲判決」などただのひとつもありはしないのです。あくまで憲法判断を避けたにすぎません。
いよいよこれでは勝ち目がないから、いっそ「違憲にならないような憲法に変えてしまえ」ということになるわけですね。
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自民改憲試案〜政教分離緩和
http://ppfvblog.seesaa.net/article/2334902.html(司法の責務を果した福岡地裁判決の参考記事)
「靖国」違憲判決 首相は参拝の見直し図れ(沖縄タイムス社説2004/4/8)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20040408.html小泉首相の靖国参拝に明確な違憲判決
−−率先して憲法を守るべき立場にある首相の、やりたい放題の違憲・違法行為に厳しい批判−−
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Movements/yasukuni040407.htm<2005/4/29追記>
小泉首相・石原都知事靖国参拝違憲訴訟・東京地方裁判所判決(▼milou)
http://milou.seesaa.net/article/3208134.html靖国参拝違憲訴訟の会・東京
http://homepage3.nifty.com/seikyobunri/