http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-04-10/06_02.html
韓国大統領 「日本は侵略正当化」 独紙で欧州と対比して批判(しんぶん赤旗2005/4/9)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-04-09/07_01.html
「日本の行為は全世界の大きな不幸」:盧武鉉大統領ドイツ紙インタビュー(撫順の奇蹟を受け継ぐMLより転載)
日本の友人のみなさま、
来週のドイツ訪問を前に、フランクフルトの保守系新聞に掲載された韓国大統領のインタヴュー記事の翻訳を送ります。第三者、しかもヨーロッパの主要紙に対するこれほど厳しい韓国大統領の批判を日本政府はどのように受け止めているのでしょうか。
いつもの通り、以下の転載を歓迎いたします。
ベルリン 梶村太一郎
フランクフルター・アルゲマイネ紙の、訪独を前にした盧武鉉韓国大統領とのインタヴュー記事の日本批判に関する部分(記事の前半)の翻訳、 2005年 4月8日付政治面第5面より。
訳責は梶村太一郎、ベルリンにあります。文中( )内は訳注です。
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(大見出し)「日本人は侵略戦争の正当化を望んでいる」
(小見出し)盧武鉉韓国大統領との対話/ドイツへの賞賛と、アメリカの北朝鮮政策への賞賛
アンネ・シュネッペン記者
2005年4月7日ソウル発。
韓国の大統領がドイツ訪問をする時には、彼の興味は明白だ:
経済協力とドイツの統一の体験だ。ところが盧武鉉は別に重点を置いている:彼は「ドイツがいかにして、戦争の傷を癒し、克服し、またヨーロッパの統合過 程を推進することに成功したのか」について特別の興味があるという。本紙とのインタヴューで韓国大統領は、ドイツとフランスの間の和解とヨーロッパの理念を強調した。彼のドイツへの賞賛は、その尋常ではない明確な日本への批判と対称をなすものだ。直接的な比較を避けながらも、彼は過去の克服について根本的な差異を指摘した。「本当の問題は日本人が、彼らのかつての侵略戦争を白紙化し、正当化しようと望んでいるところにある。そこで韓国人の感受性にとって決定的なのは、もし日本が彼らの歴史を賛美する幻想を若い世代に伝えようとするならば、そのような教育は,平和な未来に対する私たちの希望を台無しにしてしまうということです」。盧は、日本のかつての植民地支配と軍国主義を根源とする韓日関係の危機が、次第に高まりつつあるさなかにドイツを訪問する。
「日本が様々な謝罪をしたことは確かです。しかし最近の出来事はこれらの謝罪を一度に無効にしてしまいました。謝罪というものはその後の行為がそれを損なってしまわない限りにおいてのみ有効であるのです」。ここで盧が触れているのは、ソウルと東京の間の最近の争いのことだ。まず問題となっているのは、先の火曜日に日本の文部科学省により認可された、歴史を改竄した新しい歴史教科書についてである。また最近、日本の島根県が、その所有権を要求し記念日を制定した小さな諸島の件である。特に、日本は竹島と名付けているのだが、この独島に対する挑発は、韓国で激しい感情的な抗議を呼び起こした。「独島は私たちが侵略戦争で奪われた領土の一部です。50年代になってやっと取り返す事が出来た島です。侵略戦争の略奪物であったこの島を返還せよと言う要求は、韓国の国民には受け入れがたいものです」と盧は言う。このところ東京では,彼が感情を煽っているとの非難がある。ソウルの山麓にある環境の良い青瓦台の大統領府での対話では、盧は当面する危機について、始終静かに落ち着いて話し、準備もなしに歴史の研究報告をした。日露戦争のさなかの1905年2月22日に、日本はこの島がどこにも属していないとの理由で,独島を自国領土に編入した。日本人はこの時の告示を根拠にしている。しかし韓国政府はその日本の声明の5年前に(勅令で)所有権を明らかにしていた。「私たちの権利の証拠は多くある。しかし、証拠よりも重要なのは、この島が戦争のさなかに、侵略行為の一環として日本の領土とされたことです」
盧は,2003年の段階では、日本に対してさらなる謝罪の要求をせず,過去を静かにしておくつもりであったことを自覚している。しかし,彼が大統領になった2003年2月以来、日本の政治家の「主流」が台頭してきたという。「私たちはできれば過去の事項について議論しないで済むようでありたいのです。私たちは永久に過去を思い出し、いまだにそれについて話したくはないのです。決して幸せな過去ではなかったのですからね。しかし,日本が現在のような姿勢の方向をさらに進めるなら、韓国の国民は,同様な出来事が繰り返される可能性があると、憂慮と恐怖心をもって考えることになります」。このかつての人権弁護士は,日本の過去の克服をめぐる議論が、東京とその近隣諸国との単なる争いであると見なしているだけではない。「結論としてまた、この日本の行為は全人類に通用する価値と一致しないものです」。盧の判決は厳しい:「私たちが、侵略行為を他者に対して栄光とするような者と一緒に生きていかねばならないのは、まさに全世界にとっても大きな不幸です」。
韓国の国家の長は,彼がこの日本との政治的、歴史的な争いをどの程度までエスカレートさせるつもりであるかについては意見を述べなかった。そのかわりに彼は、彼が極東には欠落しているとみなしているヨーロッパの構造については、まるで物悲しいように注意をうながした:「私は、ドイツとフランスの間で可能であった和解の過程と、それに伴う鉄鋼石炭同盟からヨーロッパ共同体、ヨーロッパ同盟に至るゆっくりとした発展について、興味と大きな驚きをもって注目しています。私はドイツがいかにして、自己の最近の過去と対決し、隣人たちと和解することに成功したのか、またそのような過程で生まれる内部の緊張を乗り越えたかについて感嘆しています。なぜなら、まさに東北アジア、中国、日本、韓国(原文はKorea)間においては、まったくそのような希望の兆候もないからです。ですから余計に私は,『ドイツの事例』と全体としてのヨーロッパに対し、より大きな敬意を抱くのです」。日本の常任理事会への大望については、盧はコメントをするつもりはなかったが、ドイツに関する同じ質問では、彼の表情は緩んだのである。この表情を解釈することは可能だ。
(訳者注:以上が盧大統領が日本について語った部分です。以下、北朝鮮との関係、アメリカの北朝鮮政策、また朝鮮半島の統一とドイツの統一に関する部分がありますが、省略します。なお、日刊紙フランクフルター・アルゲマイネはヨーロッパの中でも保守系主流の全国紙のひとつで、大統領とのインタヴューは第一面の第二番目の記事で要約が掲載されており、政治面で全体が大統領の顔写真とともに掲載されました。原文は:http://www.faz.net/s/RubDDBDABB9457A437BAA85A49C26FB23A0/
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