2005年05月16日

批判の矛先を勘違いする人たちは国(やJR経営陣)にとって最も都合の良い存在

遺族に悲しみ追い打ち 中傷の電話、はがき相次ぐ(中日新聞2005/5/16)
http://www.chunichi.co.jp/wtok7/050516T1035.html

JR西職員に暴行相次ぐ暴言含め60件(中日新聞2005/5/10)
http://www.chunichi.co.jp/wtok7/050510T1008.html

悲しいかな、これがこの国の現実の一面です。
まったく卑劣な行動に怒りを覚えますが、心情的な部分は置いておくとして。
こんな「とんちんかん」な批判姿勢を示してくれる人たちというのは、国やJR経営陣にとっては何ともありがたい存在でしょう。

最初の記事、遺族への中傷は「JRへの非難」発言に端を発していると思われますが、これは先のイラク人質事件における人質やその家族に対するバッシングと同根の問題です。さらには、今回の斉藤氏拘束事件に関して「自己責任論」がほとんど聞こえてこないこともそれを物語っています。
ちなみに私は先のイラク人質事件についても、今回の斉藤氏拘束事件についても、日本国政府によってその救出に最大限の努力がなされるべきと思います。傭兵に関する問題はその後に議論されるべきことでしょう。

傭兵・・・問題視されることを見越してか?「自己責任論」に奔走した曽野綾子氏、今度は傭兵を英雄視です。

傭兵を称賛する曽野綾子(天木直人メディアを創る2005/5/16)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0063
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2005年05月13日

JR事故報道に見るこの国のマスコミ

リンチ化しつつあるJR事故報道 会見での記者の暴言に批判集まる(日刊ベリタ2005/5/10)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200505100405322

 事故の原因解明と再発を防ぐという目的での報道であれば、列車の運行上のささいなミスを犯した職員に対しても実施される「日勤教育」という名の非人間的な再教育の実態などをつぶさに暴き、「安全よりも定時運行優先」といった意識を植え付けた幹部と会社の硬直した管理体質に批判を向けるべきだ。この事故の原因はどうみても「運転士の怠慢」「不注意」といった範ちゅうのものではない。しかし、現状のマスメディアの論調が生む結果は「効率優先はそのままにしたさらなる管理強化」ではないか。 


問題の本質を的確に指摘されていると思います。マスコミ批判をするにはまずそれが必須です。一方、同じく市民メディアを標榜するこちらの記事はどうでしょう。
JR西日本事故で加熱しすぎるマスコミ(JANJAN)
http://www.janjan.jp/area/0505/0505106842/1.php

 特に私が疑問を感じるのは、なぜ労働組合の主張だけをそのまま流すのかということである。もちろん、私は労働組合の存在を否定するつもりはない。しかし、労働組合は労働者の主張を通すための『圧力団体』なのである。彼らは自分たちが利益を得るために、自分たちに有利な情報だけを流す可能性もある。


このような視点があるとは驚きました。少なくとも労働組合の主張が「まともに」伝えられているという認識は私にはありません。以前より安全に対する改善提言が再三労組よりなされていたことを考えれば経営側の責任は明白。仮に労組の主張がまともに伝えられていれば状況は少しは良い方向に動いているでしょう。さらに言えば、経営側には記者会見という主張できる場は何度も設けられています。この記事は次のように結ばれています。

 今回の事件は、もし組織に問題があったのだとすれば、上層部だけに問題があったのではない。現場の人も含めた会社全体に問題があったと考えるのが妥当である。それなのに労働者=虐げられる人々 幹部=虐げる人々 という安易な構図でマスコミが労働組合だけを持ち上げるのはいかがなものであろうか。マスコミには公正な目を持つように求めたいと思う。


会社全体に責任があったと考えるのが妥当・・・・とすれば今のマスコミの状況は(一見)そんな主張を背景に動いているようにも思えます。ボウリング大会批判しかり送別会批判しかり。公正という言葉のまやかしだと思います。問題の本質に焦点を合わせてこそ公正なマスコミといえるのではないでしょうか。
この記事はマスコミを批判しているように見えて、実のところ問題の本質から目を逸らさせようとする勢力に寄与しているという点において、大手マスコミと変わりません。むしろ市民メディアを名乗っているだけに悪質ともいえます。

さらに「労働組合は労働者の主張を通すための『圧力団体』なのである。」という言及にたいして。

JR西労組〜労働組合とは何か
http://www.jrw-union.gr.jp/rodokumiai.html

■労働組合の役割
  労働組合は会社と対等の関係において、会社側に私たちの労働条件の改善を求めていきますが、あくまでも、「交渉する力」において対等という意味で、経営者を攻撃することが目的ではありません。経営者攻撃ばかりして生産活動に支障をきたすようでは、会社の存立まで危なくなってしまいます。また、反対に労働組合が経営者に対して発言を遠慮するようでは健全な経営とはいえないでしょう。つまり「対立と協力」というキーワードで労使関係をみることが大切です。JR西労組はこの「対立と協力」を運動の基本に置いています。また、会社は私たちにとって生活の基盤となるものですから、その経営について労働組合が発言し、働く者の権利を守っていくのは当然の権利であり、義務です。「経営参加」によって経営のチェックをし、無責任な経営に歯止めをかけるのも労働組合の役割のひとつです。


労働条件の悪化は、労働者に対し犠牲を強要するにとどまりません。今回の例で言えば安全運行水準の引き下げ(安全は二の次だった)、また医療現場で言えば医療水準の引き下げ、看護水準の引き下げ、ひいては医療ミスへと繋がる可能性は十分にあります。製造業における労働災害、工場災害の多発などもそのことが顕著に現れている側面でしょう。
労働組合について、労働者の権利主張の側面だけを見るのはあまりに一面的です。サービスを受ける患者あるいは乗客、工場周辺に住む地域住民等々、そういった人たちにたいするサービスの切り下げ、最悪の場合「命」と直接結びつくものであることを押さえなくてはなりません。残念ながら今回の事故はまさにそんな典型的な事例となってしまいました。
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[東京新聞核心]『主文に関係ない判断は違法』 現役判事が批判本

『主文に関係ない判断は違法』 現役判事が批判本(東京新聞 核心2005/5/13)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050513/mng_____kakushin000.shtml

靖国参拝訴訟の福岡地裁判決に象徴されるような、残存する抵抗勢力の理論的誤りはもはや明白です。


この最後の一文はなかなか聞き捨てなりませんね。
東京新聞が改めてこのような記事をおこした真意ははかりかねますが、当判事の主張とともに非常に違和感の残るものです。

人権政策委員会 書評 井上薫『司法のしゃべりすぎ』
http://www.geocities.jp/humanrightspolicy/book/007.html

結局のところ、著者は、いわゆる人権裁判、憲法裁判を、数量的な分析抜きに適当につまみ食いして紹介して、問題視しているのであって、本書は、裁判において、人権問題、憲法問題に論が及ぶことを最大限に回避して、結論に達する必要最小限の裁判にとどめよという、極端な司法消極主義を、開陳しているに過ぎない。人権裁判、憲法裁判の担当者に、無難な判決を書けというプレッシャーを加える理屈に使われるだけのような気もする。


本当は、こういう裁判官が一人いたからといって、日本中の裁判官をこうした考え方の持ち主と決め付けるのはおかしいと思う。だから、本書は、一裁判官の独断と偏見と紹介しておこう。書評は、私も「蛇足」かな、と思わないでもない。だが、社会は、本書を、現職の裁判官が書いたということだけで注目し、内容である独断と偏見も、裁判官であるという理由でもっともらしく響くであろう。裁判官の憲法解釈がこれほど低レベルであるとは思っていないであろうから。したがって、私としては、多少の毒消しをしておきたいということである。

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2005年05月11日

[琉球新報社説]陸自イラク撤退へ・当然の判断、支援は継続を

陸自イラク撤退へ・当然の判断、支援は継続を(琉球新報社説2005/5/6)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-1961-storytopic-11.html

5月6日における社説です。続報に注目していましたが私の知る限り目立った報道は見当たりません。
これほど重大なニュースがほとんど伝えられないことに怒りを感じます。

読売新聞の社説はどうなの・・2 (2005年度版)
「■イラク占領支配 自爆テロ 大儀なき戦争 報復の連鎖 動画 歴史教科書」
http://love.ap.teacup.com/kouhei2/56.html
いつもながら鋭いご指摘です。
つい一年前の事実さえまともに評価できないのです。
何もなかったかのような態度、そして世論の反応も。
60年以上も前の事実を評価することがいかに困難な作業であるか想像がつきます。
私は、そのような努力に敬意を表し、応援したいとする立場です。
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[しんぶん赤旗]主張 JR西日本事故 命奪った経営の暴走はなぜか

JR西日本事故 命奪った経営の暴走はなぜか(しんぶん赤旗 主張2005/5/11)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-11/02_01_0.html
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[阿修羅]扶桑社と南京大虐殺・従軍慰安婦・朝鮮人強制連行【ストップ・歪んだ教科書・赤旗より】

扶桑社と南京大虐殺・従軍慰安婦・朝鮮人強制連行【ストップ・歪んだ教科書・赤旗より】(阿修羅2005/5/10)
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/180.html

日本共産党機関紙赤旗に連載されている 『ストップ・歪んだ教科書』という扶桑社の歴史教科書への批判記事の中で南京大虐殺 従軍慰安婦・朝鮮人強制連行について書かれた非常に重要な部分があったので下記に要約してみた。

まず新しい歴史教科書を作る会の会報がいかに扶桑社の教科書を宣伝していたかを赤旗は掲載している(五月五日付)。それによると

『日本を糾弾するために捏造された南京大虐殺・従軍慰安婦・朝鮮人強制連行などの嘘も一切書かれていません』(2004年7月号『史』)

なんとこの三つは嘘だと断定し、だから掲載していないというのである。

では実際はどうなのか。赤旗記事によると扶桑社の教科書では

@脚注に『南京事件』として『実態については資料の上で疑問点も出され、さまざまな見解があり、今日でも論争が続いている』と書くのみ。

A強制連行は『徴兵や徴用が、朝鮮や台湾にも適用され』とあたかも強制ではなく法に基づく徴用であるかのように記述。

B 従軍慰安婦についての記述は一切無し。

であるという。もちろんこのような内容は悲惨な侵略戦争の犠牲となったアジア諸国の人々そして我が国の国民をもを愚弄し、馬鹿にするものであることは間違いない。

赤旗紙面でも笠原十九司・都留文化大教授がこのでたらめな教科書に非常に厳しい批判を行っている。特に南京大虐殺について

『「なかった」がこの教科書の本音。事件の有無すらもあいまいにしたいという意図が透けて見える』

『(連合軍の軍事裁判を恐れた日本軍部の命令で各部隊が戦闘記録を焼却したが)焼却されずに残った3分の1の部隊の戦闘記録だけでも、万単位の中国人を殺害している部隊がある。南京城内だけでなく、南京市全体や近郊の農村でも被害が記録されている。従軍記者や被害者・当時南京にいた外国人が虐殺を証言している~などから十万人単位の被害は間違いない』

『(虐殺まぼろし論について)その論拠はすべて研究で論破されており、歴史学会ではすでに学問的意味を認められない。「作る会」の論者たちは使い古された論をもう一度引っ張り出して繰り返しているにすぎない』

と指摘している。そして記事は以下の笠原教授の言葉で締めくくられていたのであった。

『歴史に学ばないものは同じ過ちを繰り返す。このような教科書が国の検定に合格したのはすでに過ちを犯しつつあるということではないか』

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2005年05月10日

左巻きブログ管理人より雑談

自分が右巻きにクルクル回っていると相手が左巻きだと錯覚するらしい。
運営(というほどのことでもありませんが)する上で士気の低下を招くことが多い昨今、しばらくコメント、トラックバックの受付は控えさせていただきますので、どうぞよろしく。
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[天木直人メディアを創る]隠し続ける政府

隠し続ける政府(天木直人メディアを創る2005/5/9)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0058

政府関係資料がすべて情報公開されれば、世の中がひっくり返るほどのウソが次々と出てくるに違いない。彼らが進んで情報公開するはずはない。良質なメディアと我々国民が力を合わせて、一つ一つウソの皮をはがしていくしかない。


墜落事故と米軍 無断立ち入り特権お断り(しんぶん赤旗主張2005/5/9)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-09/02_01_0.html
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[東京新聞社説]週のはじめに考える 立て直せアジア外交

週のはじめに考える 立て直せアジア外交(東京新聞社説2005/5/8)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20050508/col_____sha_____001.shtml

アジア外交 相互信頼へ次の一歩を(京都新聞社説2005/5/8)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/syasetsu/050508.html
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2005年05月06日

[キャファ通信]福知山線脱線事故はなぜ起きたか?

まずは亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。二度とこのようなことが繰り返されないよう本質的問題解決がなされることを願います。

JR西日本 安全を軽んじてないか(朝日新聞社説2005/5/4)
http://www.asahi.com/paper/editorial20050504.html
においてはこう締めくくっています。

そして社員一人ひとりは安全を最優先する意識を持たなければならない。この事故を前にそれぞれが何をすべきか、言われなくとも分かるはずだ。職場に緩みはないか、基本を忘れてはいないか。初心に戻って見直してもらいたい。


はっきり言って全くひどい結論です。社員一人ひとりの問題に収束してしまっていいものでしょうか。事故車両に乗り合わせたJR社員は事故後の行動について管理者に指示を仰いだという事実に問題点を見出せずにこのような結論で話を終わらせるとは。「この事故を前にそれぞれが何をすべきか、言われなくとも分かるはずだ。」それは常識的に考えてその通りです。それでもなお「指示を仰が」なければならなかった背景、「通常通り勤務に就く」よう管理者が指示した背景、そしてその指示に「従わなければ」ならなかった背景に目を向けなければ本質的な問題に迫ることはできません。

また天木氏も本質的問題の「はぐらかし」について言及しています。
ここまでいじめるのは異常だ(天木直人メディアを創る2005/5/5)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0054

以下のメーリングリストにて当事者であるJR社員の方からのメールが転送されてきました。ぜひ転載してください。
ちなみにトライアスロンの話題を中心に扱うメーリングリストですが、社会問題についても取上げられています。
アトリエ ドゥ キャファhttp://www.kijafa.com
によるメーリングリスト「キャファ通信」より(2005/5/3配信)
転送引用歓迎とのことです。

●福知山線脱線事故はなぜ起きたか?

JR総連の○○○○と言います。福知山線の脱線事故から間もなく1週間が経とうとしています。この“ML”でもいくつかの議論がありました。事故への対応に追われて遅くなりましたが、関係者の一人として事故原因について見解を述べておかなければならないと思い、投稿します。やや長くなりますがご容赦ください。転送、引用は歓迎します。あくまで個人としての見解です。

運転士が大幅な速度超過でカーブに進入したことが事故の引き金となったことは、現在まで明らかになった事実に照らして間違いないと思います。その背景に過密なダイヤや到達時分の短縮、定時運行へのこだわりがあったという指摘があります。私にはこれらの議論がやや一面的だと思えます。鉄道事業者がより良いサービスを提供しようと努力すること自体は当然です。問題なのは、JR西日本という企業組織の中でそれがどのような方法、手段によってなされたかというところにあります。

JR西日本は線路の許す最高速度ギリギリのダイヤを設定しました。そのため、到達時分が短縮された分、運転士が列車の遅れを回復する「余裕時分」がなくなりました。その一方でJR西日本は遅れやミスに対して「日勤教育」という名の懲罰を行い、ダイヤどおりの運行を運転士に求めました。他方、速度照査機能を持つATSなどミスをカバーするバックアップ設備の整備は遅れ、福知山線には設置されていませんでした。つまり、サービスの向上が、必要なバックアップ手段も講じないまま、現場労働者に一切の負担と責任をかぶせて行われてきたのです。

このことが、事故原因を考える際の鍵になると思います。JR総連に加盟するJR西労は問題点を具体的に指摘し、繰り返し改善を要求してきたのですが、JR西日本はその切実な声を一切無視してきました。そればかりか、「日勤教育」によって労働者を脅迫し、恐怖によって定時運転を確保しようとしていたのです。

「日勤教育」の実態については、JR西労組合員の証言をテレビなどで聞いた方も多いと思います。他の運転士が見える場で管理者の監視の下、繰り返し反省文を書かせ、時には管理者が集団で取り囲んで大声で怒鳴り、人格を否定する聞くに堪えない罵詈雑言を浴びせます。草むしりや穴掘り、規程類の書き写しが求められることもあります。多くの労働者が一番屈辱に感じているのは、駅のホームに立たされて他の運転士への声かけをやらされる「水平展開」です。労働者としての誇りを叩きのめし、もし次にミスをやったら運転士をやめると誓約するまで「日勤教育」は続きます。そのなかで組合からの脱退を強要されたケースも数え切れません。子どもの頃から憧れた運転士をやめ、鉄道を去った者もたくさんいます。

JR西日本ではJR各社の中で唯一成果主義の人事賃金体系を導入しています。会社による評価が賃金・処遇に大きな差を生み、評価をめぐって労働者同士が競争させられる仕組みは、労働者に加えられる経営側の圧力をさらに高め、砂漠のような職場をつくりだしました。

2001年には尼崎電車区所属の服部匡起(まさき)さん(当時44歳、JR西労所属)がたった50秒の遅れを理由に「日勤教育」を強いられ、自殺に追い込まれました。

これまで無事故できた運転士の誇りが、管理者の心無い言葉の数々によって引き裂かれ、心を蝕み正常な判断を奪ったのです。もと国鉄の機関士だったお父さん・榮さんの無念の思いをテレビで聞いた方も多いと思います。

このほかにも、これまでJR総連には自殺したJR西日本社員の家族からいくつもの相談が寄せられてきました。高見運転士もかつて13日間の「日勤教育」を受けたと報道されていますが、この屈辱と恐怖の記憶がオーバーランによる列車の遅れのなかでよみがえり、正常な判断力を奪ったことは間違いありません。

2001年にJR東海で信じられないような事件がありました。回送中の新幹線で運転士(50歳、国労所属)が車内の洗面所に制帽を置き忘れたことに気づき、運転席を離れて5分間にわたって無人のまま列車が走行したというのです。これもまた、制帽を置き忘れたことが発覚して「日勤教育」を強いられることへの恐怖が原因だったと推定できます。

事故を起こした運転士への再教育は、国鉄時代にも「庫出(くらで)」という名で行われていましたが、これほどひどいものではありませんでした。

国鉄の民営化を前後する時期、職場規律の回復が叫ばれる中、わずかなミスを理由に長期の乗務停止による再教育が行われるようになりました。JR総連は1988年にJR東日本で起きた東中野列車追突事故を契機に、「責任追及から原因究明へ」を掲げてこのような対応の見直しを迫りました。ミスに対する懲罰・見せしめによって事故はなくならない、ミスを生んだ原因を明らかにし、必要な対策を講じるべきだと主張したのです。

このとき、JR東日本はこの指摘を「まったく正しい」(山之内秀一郎『なぜ起こる鉄道事故』東京新聞出版局)と受け入れ、労使の協力によって安全を築く道へと踏み出しました。

ところがJR西日本は猛反発し、JR東日本労使が1990年に世界の鉄道労使に呼びかけて開催した国際鉄道安全会議をボイコットしたのです。当時のJR西労組委員長も会議を欠席し、翌年早々に「JR総連からの断絶」を表明してJR総連から分裂していったのでした(JR東海、JR九州、JR四国がこれに続きました)。

その後、JR総連に残ったJR西労つぶしという邪な目的も与って、JR西日本では「日勤教育」が定着し、悪質化していったのです。

この間、労働者を人間として扱おうとしないJR西日本の姿勢が安全を脅かしていることをJR総連は繰り返し訴えてきました。

山陽新幹線トンネルコンクリート崩落事故や服部さんの自殺事件、救急隊員殺傷事故など、機会をとらえては国土交通省、厚生労働省に是正と指導を求めて要請を行い、記者会見でマスコミにも訴えてきました。

心ある国会議員が国土交通委員会で取り上げ、政府に対応を求めたこともありましたが、答弁にたった国土交通省高官はJR西日本の「適切に対応した」という見解をオウム返ししただけでした。まさにこうした経過の末に今回の事故が起きたのです。事故を未然に防ぐことができなかったことが悔しくてなりません。

JR西日本は置石説を流したり、運転士・車掌に責任を転嫁したり、ろくに理解もできない数式を使った計算で「時速133キロでないと脱線しない」などと強弁したり、責任逃れに懸命でした。

かつて信楽高原鉄道事故でも「お詫びというのはこちらが悪いことをした場合の表現」だ(角田社長<当時>の発言)と語って遺族への謝罪を12年間も拒否し、裁判によってJR西日本の責任が重いことが確定してはじめて謝罪したのでした。

幹部が責任を取らず、現場労働者に負担と責任をおしつけ、現場の切実な声を無視し、ひたすら利益の追求に走るJR西日本の企業体質こそ事故の根本原因です。この体質から脱皮し、JR西日本が真剣に安全を追求する鉄道会社に生まれ変わるまで、問題の解決はありません。

3年前、公安当局は組合方針に従わない者を職場集会などで説得したことを理由に JR総連の7人の組合員を「強要罪」で逮捕し、344日間も勾留しました。この浦和電車区事件の裁判は今も継続中です。

また組合のビラ配りに執拗につきまとった管理者への抗議を暴力行為にでっちあげ、組合事務所や役員宅などを家宅捜索して大量の組合資料を押収しました。さらに、これらの不当性を訴えるため、マンションの集合ポストにビラを入れたことをもって、またも大量の家宅捜索を行いました。

ILOが労働組合権の侵害であると認定して日本政府に是正勧告を行い、日弁連が憲法35条と国際人権B条約に違反する人権侵害として警視総監に警告を発していますが、小泉率いる日本政府はいまだにこれらを正当だと強弁し続けています。

他方で、「日勤教育」により屈辱と恐怖を強い、多くの労働者を自殺へと追い込んだばかりか、これほどの事故まで引き起こしたJR西日本の幹部は、自由の身で鉄面皮な言い訳を繰り返しています。

これが今の日本の現実だということをしっかり見すえてほしいと思います。なお、 JR総連の安全に対する姿勢やここで取り上げたいくつかの事故などについては『反グローバリズム労働運動宣言』(小田裕司著2002年彩流社刊)に詳し書かれていますので、興味のある方は参照してください。

JR総連の声明は以下にあります。
http://jr-souren.com/statemnt/050426.htm


以下、関連リンクです。
以前より「安全性に関する問題提起」が幾度となくなされ、今回の事故が起こるべくして起こったと思うに十分の実態を見ることができます。

JR総連ホームページ
http://jr-souren.com/
 
 JR総連/守れ鉄道の安全
 http://jr-souren.com/safety.htm

JR西日本労働組合
http://www2.odn.ne.jp/nisirou/

JR西 リポート項目155にも 「再教育」の名で精神的圧力(しんぶん赤旗2005/5/5)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-05/01_01_0.html

運転士いびりの連続 「ミスごまかすようになる」 再教育受けた労働者が告発(しんぶん赤旗2005/5/5)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-05/15_01_0.html

2005/5/6 14:00追記
ブログ これでいいのか?
http://korede.iinoka.net/
鋭い視点のエントリーがありました。
 被害者と加害者を取り違えた報道
 http://korede.iinoka.net/archives/000066.html
 マスコミの提言通りにやった結果
 http://korede.iinoka.net/archives/000065.html
 4.「民営化」に隠された真意 2003/12/31
 http://korede.iinoka.net/zizi/seizika/gyousya4.htm
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2005年05月03日

[天木直人メディアを創る]メーデーに参加して思う

メーデーに参加して思う(天木直人メディアを創る2005/5/1)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSWhats&Init=CALL&SYSKEY=0014

 メイデーにゲストとして招待され7分間の挨拶をしてきた。学生時代から今日までノンポリである私には、この種の集会は珍しい経験である。
 いくつか感じるところがあった。五万人も集まった集会の不思議な力を感じた。我々一人一人はなんの力も影響力もない存在であるが、それが連帯すると大きな力になる、これこそが大衆の力だと思った。
 驚いたのはビラを配っている人達の中に連合の笹森会長や共産党を批判している人がいたことだ。自民党の補完勢力になってしまった民主党を応援している連合について、批判する事はわかる。しかし共産党を批判するグループがいることは驚きであった。今の護憲勢力は共産党をおいて存在しないと思っていた。しかしその共産党さえも生ぬるい裏切り者と言っているのだ。これがいわゆる内ゲバなるものか。私のようなノンポリにとっては、この近親憎悪の関係がさっぱりわからない。そんなうちゲバをしている暇があったら、小泉政権打倒にそのエネルギーをぶつけろと言いたい気分だった。
 7分の演説で何をしゃべればいいか。私はいつも大勢の前で話をするときは緊張する。しかしいつもそうであるが人の前にたって話し始めると、予定した草稿とは無関係に言葉が走り出す。何を話したかもう忘れたが、最後にこの言葉で締めくくろうと考えていた言葉がある。これだけは今でも覚えている。日頃出ないような大声で叫んでいた自分を思い出す。
 その言葉は1947年に文部省が中学生に向けて発刊した「新しい憲法の話」からの一節である。
 戦争放棄をうたった憲法9条について説明した箇所にこういう文章があるのだ
・・・これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これは戦力の放棄といいます。放棄とは捨ててしまうと言う事です。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しい事を、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません・・・
 そうなんだ。世の中に正しいことほど強いものはない。この言葉に私は勇気づけられる。
 アメリカのイラク攻撃はあらゆる意味で許しがたい歴史的暴挙である。そう信じて私は声をあげた。その結果私は組織を追われ、一人になった。ややもすれば気弱になる自分に、この言葉は最大の励みになった。
 私は正しいことを行おうとして苦しんでいる人達に言いたい。自らを信じて行動しよう。必ずその正しさが勝つ時が来ると。そう思ったときから既に勝利の女神は微笑みかけているに違いない。
 人ごみの中を掻き分けて一人代々木公園をあとにする私は、言葉ではうまく表現できない充足感をかみしめていた。
http://amaki.cc/



《参考》
あたらしい憲法のはなし
http://www.nginet.or.jp/box/newkenp.htm
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東アジア共同体構想に反対 アーミテージ氏会見

東アジア共同体構想に反対 アーミテージ氏会見(朝日新聞2005/5/1)
http://www.asahi.com/international/update/0501/001.html

日中の友好関係の進展を好ましくないとのこと、すなわち現在のような日中関係を歓迎している国、それはアメリカということでもあります。
日中の友好関係に水を差す様々な妄言、暴言の数々・・・、その「動機」のひとつとも言えそうです。
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2005年05月02日

憲法記念日を前に秀逸な社説2題

憲法の危機・「戦力不保持」は平和主義の要 見直す理由がみあたらない(琉球新報社説2005/5/2)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-1839-storytopic-11.html

『活憲』が先だろうに いま 憲法を考える(東京新聞社説2005/5/2)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20050502/col_____sha_____002.shtml
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2005年05月01日

従軍慰安婦問題について参考記事

外務省HPより
慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kono.html

 いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
 なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。


《追記2005/5/1 22:45》
トラックバックいただいたこちらの記事も非常に参考になります。
日本の右傾化ー中央日報より(▼milou)
http://milou.seesaa.net/article/3244858.html
《追記終わり》

中帰連HPより
NHK・ETV特集から消された戦場の証言
http://www.ne.jp/asahi/tyuukiren/web-site/syougen/nhk_special.htm

AMLより
韓国KBS番組「日本軍“慰安婦”」
http://list.jca.apc.org/public/aml/2005-May/001334.html続きを読む
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