2005年06月14日

[撫順の奇蹟を受け継ぐML]もうひとつの反靖国

もうひとつの反靖国(撫順の奇蹟を受け継ぐML2005/6/14)
http://groups.yahoo.co.jp/group/uketugu/message/5399
《一部抜粋》

 1885年に日本軍は台湾を侵略し、台湾に対する植民統治を始めた。

 1896年に台湾総督府は「蕃地=無主地=国有地」の法令(日令26号)を布告して、台湾の原住民族が数千年来生活を維持してきた領域(土地)を強制的に没収しました。台湾の原住民からみれば、先祖から伝わった領土を異族に無理矢理に奪われたのです。

 1910年から日本軍は、武力を集中して大規模に原住民族を攻撃し始めました。日本軍の攻め込んだ至るところで、原住民の戦士が皆殺しにされ、財産を全部奪われ、部落を全部焼き払われました。そして、幸いに災難から生き残った婦女や子供達も山林に追い込まれ、滅亡への道を歩まされたのです。

 1910年6月21日に日本総督の佐久間が、日本軍が苦戦に陥っている消息を聞いて、台湾総督府宛に電報を出したが、その電文に「小泉少将を宜蘭方面の軍隊指揮官に命じる。若し糧食欠乏の報告があれば、蕃人の肉で飢えをしのげ」という命令を出しています。これを見てもわかるように、日本軍がいかに残虐な手段をとって台湾原住民を殺害したかが、はっきりします。

 1941年に太平洋戦争が勃発したのち、日本軍は、台湾原住民を強制的に徴兵して「高砂義勇隊」を作り、二万余りの人をはるばる南洋の作戦に参加させました。「高砂義勇隊」は殆どの人が第一線に派遣されたため、死傷者が非常に多く、戦後の生還者は三分の一に過ぎませんでした。しかも、その大部分が戦傷者でした。

 当時の年代で計算すれば、日本の軍隊は1910年から1915年までの間に台湾原住民を大量に虐殺し、その生き残った子や孫たちがちょうど青壮年に育ったころ、「高砂義勇隊」として強制的に徴兵し、南洋に送って、弾丸の灰焼と化さしめたのです。 当時の軍国主義者が台湾の原住民族に対して犯した罪は、いわば、「二代滅族」の許しがたい重罪です。(略) 私は、原住民を殺した人が神様になって祀られるのはおかしいと思います。また、歴史を歪めることになると思います。何故なら、日本の軍人は原住民を殺そうとして、反撃され死んだにすぎません。その人が何故神様になるのか分かりませんし、その人を神様にすることにより、原住民を殺そうとしたという事実が見えなくなってしまうからです。加害者を祀ることは歴史を歪めることです。靖国神社は歴史を正しく見直すことをしないばかりか、私たちの要求を拒否しました。さらに小泉総理大臣は加害者を祀っている靖国神社を参拝し、加害者のみたまを尊敬する行為をしたのです。このような小泉総理大臣の行為は、私の原住民としての誇りを侮辱するものです。

私は、タイヤル族の子孫として、靖国神社がタイヤル族をはじめとする原住民の戦死者の魂を合祀し続けていること、小泉総理大臣が反対を押し切って恥知らずな参拝をしたことによって、民族としての誇り、名誉が傷つけられ、侮辱されていると感じています。民族の先祖を殺した側が民族の先祖の魂を祀る。これが、民族に対する侮辱でなくてなんでしょうか。私は自分自身が強く侮辱されていると感じていますし、先祖の魂をなんとしても故郷に取り戻すことが私の責任であると思っています。 (靖国参拝違憲訴訟「意見陳述」より抜粋 チワスアリ)


分祀求める儀式を中止 靖国神社で台湾先住民(朝日新聞2005/6/14)
http://www.asahi.com/national/update/0614/OSK200506140040.html
台湾先住民ら、靖国神社の訪問断念 衝突懸念で警察が要請(産経新聞2005/6/14)
http://www.sankei.co.jp/news/050614/sha035.htm
台湾先住民が靖国訪問中止 分祀要求 右翼包囲、警官と衝突(東京新聞2005/6/14)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050614/eve_____sya_____003.shtml
《追記2005/6/15》
台湾先住民が抗議 先祖を靖国にまつるな 植民地時代に徴兵(しんぶん赤旗2005/6/15)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-15/15_01_2.html
《追記2005/6/16》
台湾先住民族、靖国神社に祖先の合祀取り下げ要求(人民日報2005/6/15)
http://www.people.ne.jp/2005/06/15/jp20050615_50953.html
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2005年06月13日

JR脱線事故、記事2題

便乗・悪乗りとも言える日経新聞のすりかえ論法(JANJAN2005/6/11)
http://www.janjan.jp/media/0506/0506098108/1.php?PHPSESSID=01747ca309b1a3471df6a7225b695a70

脱線事故は民営化が原因(Our World ビルトッテンからのレター 2005/6/13)
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/rinen/totten/ow_text.php?A=1&B=693
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[沖縄タイムス社説][「ひめゆり」入試問題] 想像力が欠如している

[「ひめゆり」入試問題] 想像力が欠如している(沖縄タイムス社説2005/6/12)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20050612.html#no_1
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2005年06月10日

[JANJAN]続「平成サル芝居・石原都政顛末」 7つの疑問

続「平成サル芝居・石原都政顛末」 7つの疑問(JANJAN2005/6/9)
http://www.janjan.jp/government/0506/0506080076/1.php

腐臭・マスコミ業界 平成サル芝居・石原都政顛末(編集委員レビュー・6月第1週)(JANJAN2005/6/6)
http://www.janjan.jp/editor/0506/0506060938/1.php
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入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」 青学高等部

入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」 青学高等部(朝日新聞2005/6/9)
http://www.asahi.com/life/update/0609/007.html?t5

「配慮を欠いた問題」だったそうである。そもそも「配慮」しなければ避けられないことなのか。

ひめゆりの証言「退屈」/東京の私立高入試問題(沖縄タイムス2005/6/9)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200506091700_01.html

 石原昌家沖国大教授は「この入試問題は、極限状況の戦争を生き抜き、身を粉にして語る体験者を思いやれないような、教師の資格を失った者が教壇に立っている事実を証明している」と批判。「このような教師に指導される生徒の中には、似たような感想が再生産される」と危惧した。

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2005年06月09日

靖国問題はやはり大事だと思うが

昨日のニュース23に後藤田正晴氏が出演していた。久々に聞く至極全うな発言に、正直ホッとさせられる。
その後藤田氏、首相はじめ各閣僚の度重なる思慮に欠ける行動や発言に対し苦言を呈し、町村氏については「外務大臣には最も相応しくない政治家」と言い切った。私も激しく同意。

町村外相発言 すれすれはどちらか(朝日新聞社説2005/6/9)
http://www.asahi.com/paper/editorial20050609.html#syasetu2

 「教科書を執筆している人たちは左がかった人たちだ。左がかった教科書でないと日教組に採択されない。ゴルフでいえば左OB(境界外)すれすれの教科書を書くのだから軍国主義を賛美するわけがない」


これが一国の外務大臣の発言とは俄かに信じがたい。まさか過激路線で石原人気にあやかろうとでも?

反発を呼んでいる扶桑社の教科書については中道であるとし、「したがって教科書問題はスローガンと偏見だけで批判されている」と述べた。


「偏見だけで批判している」とは・・・まさしく偏見に満ちた言葉ではないか。何を見聞きしているのか。
この記事↓も数多くの地道な検証の中の一つである。
靖国神社とそっくり 侵略正当化 「つくる会」教科書(しんぶん赤旗2005/6/9)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-09/03_01_0.html

したがって、残念ながら今回の天木氏の主張には全面的には賛同できない。
まだ騒いでいるのか靖国問題(天木直人メディアを創る2005/6/9)
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0078
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[JANJAN]都政混乱で表れた知事の暴言と記者の反骨

都政混乱で表れた知事の暴言と記者の反骨(JANJAN2005/6/6)
http://www.janjan.jp/media/0506/0506057907/1.php?PHPSESSID=b85629435195ee29c3298f1ec7aa1241

《拙ブログ関連記事》
石原氏「進退を考えよ」と書いた記者を「ただのブン屋」などと罵倒
http://ppfvblog.seesaa.net/article/4195834.html
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[しんぶん赤旗]ここまで来たか“靖国史観” 売られていた「大東亜戦争」礼賛の写真集

ここまで来たか“靖国史観”
売られていた「大東亜戦争」礼賛の写真集(しんぶん赤旗2005/6/7)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-07/03_01_0.html

「つくる会」歴史教科書についての見解(自由法曹団2005/5/31)PDF
http://www.jlaf.jp/jlaf_file/050531rekisi.pdf
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2005年06月08日

[耐乏単車生活]SRXレストア中

2ヶ月ほど前に友人から90年式ヤマハSRX400をただ同然で譲り受け暇を見つけてはレストア中です。フロントフォーク周りはカワサキZXR250の倒立サスにコンバートされています。なのでフロント周りはカワサキカラーのライムグリーンでぶっ飛んでます(^^;;
SRX1.JPG

で、タンクの凹み直して自家塗装にて塗り変えました。ちなみに色はシトロエンC2に使われているベールアブサン・・・ベールは緑、アブサンとはあのお酒の「アブサン」いわゆる薬草酒です。妻さんからは早くも「青虫号」とありがたい名前を頂戴しました。その他ぼちぼち手が入っていますが、できれば追々ご紹介します。シートはスポンジも含め随分へたってます。これはどちらかにお願いせねばと思っているところです。
今のところはひとまずこんな感じ↓に仕上がってますというところで。
SRX2.JPG SRX3.JPG
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読売商店の老害復帰

渡辺恒雄氏:巨人会長就任内定 わずか10カ月で返り咲き(毎日新聞2005/6/7)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050608k0000m050059000c.html

会長辞任以降、話題にのぼることも少なく寂しい思いを(もしくはせいせい)していたが、早くもネタ提供してくれました。あきれて物も言えない。やはり『お山の大将』は一時でも『お山の大将』でいられないことには耐えられないらしい。
セパ交流試合に野球の面白さを少し見直していただけに、まさしく「水を差す」、反吐が出そうなニュースである。本当はこんなニュース無視しておけばいいのだろうけれど。

《記事より一部引用》

◇反面教師にして 
 ▽スポーツライターの玉木正之さんの話 ただただあきれ返っている。渡辺氏は新聞を売るために巨人を利用しているだけで、こうしたやり方は今のスポーツ界では成り立たない。チームの人気をなくさせた張本人と言え、そんな人物を会長に復帰させる読売新聞社は哀れだ。「たかが選手が」と発言するような渡辺氏を反面教師とし、野球界全体が良い方向に向かってほしい。


《拙ブログ関連記事》
ナベツネはこの国の縮図(2005/7/11)
http://ppfvblog.seesaa.net/article/286718.html
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[PUBLICITY]【投稿紹介】山口二郎「EU憲法否決の背景」

[PUBLICITY]【投稿紹介】山口二郎「EU憲法否決の背景」

メールマガジン「PUBLICITY」より
登録申し込みはこちら↓
http://www.emaga.com/info/7777.html

【投稿紹介】
▼山口二郎「EU憲法否決の背景」

【先日、イギリス滞在中の山口二郎さんからもEU憲法否決の背
景についてメールをいただいた。ありがたい!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
竹山様

ご無沙汰しています。イギリスにいるのもあと一週間足らずと
なり、名残惜しいところです。選挙やローマ法王の死去、EU憲
法といろいろ出来事があり、退屈しませんでした。

EU憲法に関して、attacの声明を紹介していましたが、私はこ
れに大いに異論があるので、メールしました。

まず、フランス人、オランダ人がノーといったのは、EUの急速
な東方拡大に対する反感も大きな原因です。つまり、旧共産圏
で、スラブ系の国民が先進国クラブであるEUに仲間入りするこ
とへの反感がかなりあることを無視してはなりません。

つまり、ナショナリズムを無視しては、今回の事態は語れない
ということです。

▼もう1つは、新自由主義との関連です。EU憲法の問題は、ヨ
ーロッパの社会民主主義にとっても深刻な課題です。

グローバル化の中で、資本主義に妥協しつつ、何とか社会的価
値を守ろうとするというのがEU憲法のねらいだと私は理解して
いますが、おっしゃる通りその妥協の部分を重大視して、全体
の枠組みを壊すというのがフランスやオランダの反応です。

ドイツでシュレーダー政権の改革路線に労組や市民が猛反発し
ているのも、同じ流れです。欧州社民の前途は険しいといわざ
るを得ませんね。

▼この点は、ブレア政権の福祉国家改革に対する評価とも密接
に関連しています。こちらの新聞には、グローバル資本主義の
中で社会的価値を守るためには、微温的であってもニューレー
バー、EU憲法的路線しかないのだという論評もありました。

しかし、伝統的労組や最近の反グローバリズムの運動には、そ
うした政治的論議は受け入れられないようですね。

▼また、こうしたニューレーバー的な政策路線を推進する主体
が、非民主的な手法を使う、アカウンタビリティがないといっ
た反発を招いていることも事実で、政策転換がうまくいかない
理由となっています。

私は、もちろん社会的ヨーロッパを支持しますが、これをまる
ごと維持することは無理だと思っています。

グローバル資本主義とどこで折り合いをつけるかが政策論議と
いうものであり、そうした政策論議をすべてテクノクラート的
と拒絶することには反対です。

ともあれ、EU憲法に対する国民の拒絶は、単に新自由主義に対
する市民の意思表示だと捉えられない現象だということです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「伝統的労組や最近の反グローバリズムの運動には、そうした
政治的論議は受け入れられないようですね」という問いかけは
重い。

attacの声明をきっかけに、EU憲法の是非、を通じてヨーロ
ッパ事情についてのコメントがたくさんくるとは思ってなかっ
た。ヨーロッパを鏡にして、見えてくるニッポンもある。どし
どしご意見歓迎である。



《他参考記事》
仏で欧州憲法拒否 背景は
失業不安と現状への不満
統合自体には賛成多数(しんぶん赤旗2005/6/6)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-06/06_02_1.html
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2005年06月07日

石原氏「進退を考えよ」と書いた記者を「ただのブン屋」などと罵倒

独断運営に反省なし 石原都知事 浜渦氏らの辞職公表(しんぶん赤旗2005/6/4)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-04/04_03_1.html

記事中
>記事で「進退を考えよ」と書いた記者を「ただのブン屋」などと罵倒(ばとう)。
と書かれていますが、その「進退を考えよ」と書いた記事とはこちら↓

管理責任認めつつ「側近を切る」=高木諭(社会部)(毎日新聞2005/6/3東京朝刊)
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/kishanome/archive/news/2005/06/20050603ddm004070022000c.html

この記者会見でのやり取りは私もニュースで見ていました。
石原氏の暴言に対して、きちんと反論されてましたね。断片的な記憶しかありませんが、以下おおまかに。

当該記事を書いた記者だとわかりそのことに話が及ぼうとすると
記者「この点について(知事と)議論するつもりはまったくありません。質問に移ってよろしいでしょうか」
石原氏「何も知らないくせに云々・・・」
記者「知事がご存じないことも色々知っています」
石原氏「君も物書きならね・・・・あ、物書きじゃないか、ただのブン屋だな・・・」
記者「ブン屋ではありません。新聞記者です」
石原氏「そういうのを昔からブン屋って言うんだ」(いかにも小心者らしいこわばった笑顔で)

ざっとこんな感じだったと思うのですが。
しかし、この毎日の記事読んでみると・・・

言うまでもなく、石原知事の魅力は卓越した表現力と発信力にある。常に「国家」を意識している点も、従来の知事とは違う。外形標準課税や排ガス規制はまさに面目躍如たる施策だった。職員も「東京から日本を変える」ことのだいご味を感じたはずだ。

と、実績と能力を評価しているし、そんな魅力的な知事が「萎んで」いく姿は見たくないという愛情さえ感じられます(私としては同意できかねますが)。その上での「進退を考えよ」との提言とも読みとれます。
そんな「大切に」思ってくれる記者に罵倒を浴びせるなんていけませんね。
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2005年06月06日

[読売新聞社説]靖国参拝問題 国立追悼施設の建立を急げ

[靖国参拝問題]「国立追悼施設の建立を急げ」(読売新聞社説2005/6/4)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050603ig90.htm

もう靖国を利用するのは無理な情勢と悟ったと見える。しかし「国立追悼施設」なら良いのか???疑ってかかるべき問題を示してくれる『読売』は便利なメディアではある。

国立追悼施設に反対する宗教者ネットワーク
http://joho.easter.ne.jp/
国立追悼施設に反対する宗教者ネット 設立宣言
http://joho.easter.ne.jp/setsuritsu.html

新たな国立追悼施設は「無宗教」形式をとるといいますが、本質としては靖国と何らかわらないものです。国家による追悼施設の新設は、何者にも介入されてはならない個人の「生き死に」の意味づけを再び国家に委ねてしまうことに他ならないからです。これはまた、国家が「敬意と感謝」をもって「追悼」し、戦死者遺族に国立の「慰霊・追悼の場」を提供することで、「戦死しても国家がきっちり敬意と感謝をもって追悼してくれる」という、欺瞞に満ちた「精神的補償」を与えるものであり、本来、国家がなすべき「謝罪と補償」といった戦死者とその遺族に対する責任をあいまいにするものです。さらには、有事法制の発動によって想定される、新たな戦争犠牲者の受け皿整備が国立追悼施設構想の主目的であることは、この構想が浮上した政治的経緯や官房長官の私的懇談会の議事要旨を見れば明白です。


このことについては、高橋哲哉氏も著書「靖国問題」『第五章 国立追悼施設の問題―問われるべきは何か』として的確に言及している。
書評『靖国問題』高橋哲哉より(評者:木村奈保子)
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/notice/yasukuni_mondai.htm

最後に国立追悼施設の問題が示される。靖国神社に替わる無宗教の追悼施設が構想されている。この施設では、これまで批判の的となってきた宗教性を取り払い、追悼の対象に自国の軍人の戦死者だけでなく民間の戦争被害者や外国の将兵や民間人を含むということになっている。これは、中国政府や韓国政府によってこれまでのところ好意的にみなされている案であるだけに、靖国問題をねじ曲げる危険性がいっそう高いとして、著者は警鐘を鳴らしている。
 こうした新しい施設の設置を構想して2001年12月に福田官房長官の私的諮問機関として設置された「追悼懇」の報告書では、なんと平和憲法が「第二の靖国の論理」のためのアリバイ作りに利用されてしまっているのである。

「この施設は、日本に近代国家が成立した明治維新以降に日本の関わった戦争における死没者、及び戦後は、日本の平和と独立を守り国の安全を保つための活動や日本の関わる国際平和のための活動における死没者を追悼し、戦争の惨禍に思いを致して不戦の誓いを新たにし、日本及び世界の平和を祈念するための国立の無宗教の施設である。」
「戦後について言えば、日本は日本国憲法により不戦の誓いを行っており、日本が戦争することは理論的にはあり得ないから、このような戦後の日本にとって、日本の平和と独立を害したり国際平和の理念に違背する行為をしたものの中に死没者が出ても、この施設における追悼対象とならないことは言うまでもない。」

 たとえば、北朝鮮の「不審船」とされる艦艇を発見した海上保安庁の巡視船が、その艦艇を銃撃したところ、「不審船」は沈没してその乗務員が全員死亡した場合、海上保安庁側に死者が出れば、追悼の対象となるが、「不審船」乗務員は、追悼の対象から排除される。あるいは、イラクで自衛隊が武装ゲリラと交戦し、双方に死者が出た場合、自衛隊の死者は追悼の対象となるが、イラクの武装ゲリラの死者は追悼の対象から排除される。

「驚くべき事態である。『過去に日本が起こした戦争』については日本人の死没者も外国人の死没者も区別なく追悼対象にする新たな追悼施設は、『戦後』の武力行使については、日本人の死没者だけを追悼対象にするのであって、外国人の死没者は追悼対象から排除される。なぜなら、日本人の死没者は、『日本の平和と独立を守り国の安全を保つため』であったり、『日本の関わる国際平和のため』であったり、正しい武力行為の死没者であるが、外国人の死没者は、『日本の平和と独立を害したり国際平和の理念に違背する』正しくない武力行使の死没者だからだ。」

「靖国神社には『韓国暴徒鎮圧事件』の死没者、台湾における『擾乱鎮圧討伐』の死没者、満州における『匪賊及び不逞鮮人』『討伐』の死没者などがたびたび合祀された。日本軍のこれらの活動は当時も『戦争』ではなく、日本帝国あるいは日本の傀儡国家『満州国』の『平和』や『独立』や『安全』を守るための活動とされたのであり、まさに『対テロ活動』とされたのであった。」

「今後、憲法第九条二項を改定して、『自衛隊の保持』や『集団的自衛権』を認め、どれだけ本格的な武力行使を行うようになっても、それは『国際貢献』であったり、『対テロ活動』であったりするかもしれないが、『戦争』ではない。こうして『不戦の誓い』のもとで、事実上あらゆる戦争が日本国家によって正当化されていくおそれがある。」
 これは今に始まったことではなく、戦前もまた、武力行使が正当化されてきたのである。

「国家が国家権力の発動としての武力行使――自衛隊の武力行使はこうしたものだ――の死没者を「無宗教」で「追悼」しようとしたとき、そこに靖国の論理が回帰してきてしまうのは決して偶然ではない。それは、靖国の論理が近代日本の天皇制国家に特殊な要素――とりわけ国家神道的要素――を有している反面、そうした特殊日本的な要素をすべて削ぎ落としてしまえば、そこに残るのは、軍隊を保有し、ありうべき戦争につねに準備を整えているすべての国家に共通の論理に他ならないからである。」

 さらにまた著者は、どのような施設を作ろうとも、それがたとえ、靖国のような国家の手による顕彰施設ではなくて、たとえば「平和の礎」のように市民の手による平和のメッセージを込めた施設であっても、いつのまにか国家の政治によって「靖国化」することがありうると警告を発する。

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2005年06月05日

[しんぶん赤旗主張]靖国問題質疑 戦争正当化しないというなら

靖国問題質疑 戦争正当化しないというなら(しんぶん赤旗主張2005/6/4)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-04/02_01_0.html
《一部抜粋》

 志位氏は、『靖国神社 遊就館図録』の冒頭に、太平洋戦争について「我国の自存自衛の為…自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった戦ひ」だとする靖国神社宮司のあいさつが掲載されていることを紹介。こういう歴史観、戦争観をもった神社だと知っているのかと質問しました。

 これにたいして、小泉首相は「承知している」と答弁。志位氏は、侵略戦争を「自存自衛」と正当化する戦争観を持つ神社であることを知ったうえで参拝していることの重大性を指摘し、政府の公式の立場と両立するのかとたずねました。

 小泉首相は、四月のアジア・アフリカ首脳会議で、一九九五年の「村山首相談話」を踏襲して、日本が行った「植民地支配と侵略」について「痛切なる反省と心からのお詫(わ)び」を表明しています。この「反省」が「心からの」ものなら、日本が行った侵略戦争を「自存自衛」―アジア解放のための正しい戦争だったという靖国神社の戦争観とは両立しようがありません。


《参考》
靖国神社遊就館ホームページ
http://www.yasukuni.jp/~yusyukan/

靖国参拝 遺族におこたえしたい(朝日新聞社説2005/6/5)
http://www.asahi.com/paper/editorial20050605.html
靖国参拝問題 国益のためにやめる勇気を(毎日新聞社説2005/6/5)
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20050605k0000m070113000c.html
A級戦犯の分祠問題 東条元首相の孫は「応じていない」(朝日新聞2005/6/5)
http://www.asahi.com/politics/update/0605/003.html
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2005年06月03日

登庁週2〜3日の言い訳、これが外でやる都知事の仕事だったんだ。

仏語学校校長ら都知事を提訴へ 仏語は国際語失格発言(朝日新聞2005/6/2)
http://www.asahi.com/national/update/0602/TKY200506020225.html

『北京五輪 ヒトラー五輪と同じ』石原知事、英紙に発言(東京新聞2005/6/2)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050602/mng_____sya_____009.shtml

せめて「トーキョーのトチジはブラックジョークが好きなんだ(笑)」と誤解してくれることを望む。

《2005/6/3 18:50補足》
石原知事「外での仕事もある」 登庁日数の少なさ指摘に(朝日新聞2005/6/2)
http://www.asahi.com/politics/update/0602/008.html
《同 20:20さらに補足》
東京都:業務や人事停滞、知事の責任を問う声も(毎日新聞2005/5/31)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20050531k0000e010059000c.html
石原都知事のフランス語発言に抗議する会
http://www.classes-de-francais.com/ishihara/index.html
石原都知事の「ババァ発言」に怒り、謝罪を求める会
http://homepage3.nifty.com/hanishihara/

トラックバックいただいたブログ「かめ?」さんのエントリーについていたコメントの中に・・・
>何が情けないって、これが世襲の独裁者なんかじゃなくて、制度上はまともな選挙の結果選ばれた人間だってことが情けない。

全くその通りですねぇ・・・としみじみしてしまうのでした。
posted by PPFV at 02:14| Comment(4) | TrackBack(4) | 不定期日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月02日

necessary cost

昨日に引き続き
ルポ戦争協力拒否 吉田敏浩著 岩波新書
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0501/sin_k211.html
200ページより引用。

犠牲の上の「国益」
 戦争が、武力行使が、米軍の空爆がnecessary costやcollateral damageという言葉に象徴される論理でおこなわれている現実がある。そして、こうした論理を認める風潮がアメリカや日本の社会にも浸透しているのではないか。
 たとえば、アメリカでは2004年の大統領選をめぐって「セキュリティママ」と呼ばれる主婦層の動向が注目された。彼女たちの最大の関心事は夫や子どもをいかにテロから守るかで、9.11同時多発テロをきっかけに安全を最優先するようになった。「セキュリティママ」のなかには、「対テロ戦争」の最高司令官としてブッシュ大統領積極支持派が目立つ。ブッシュ大統領を「タリバンやフセインの脅威を取り除いた」と称賛する母親グループのウェブサイトもある(『朝日新聞』2004年9月24日)。
 このように「タリバンやフセインの脅威を取り除いた」とブッシュ大統領を称賛するのは、米軍のアフガニスタン・イラク攻撃を肯定し、支持することだ。それは、米軍の爆弾やミサイルなどでアフガンやイラクの子どもたちが大勢殺されても、necessary cost(やむをえない犠牲)だから仕方ないとして、武力行使を正当化することにほかならない。
 しかしそれは、自分の子どもの命を守るために、「対テロ戦争」の名のもと他国の子どもたちの命が失われてもやむをえない、という血塗られた論理である。自分が直接手を下さなくても、他国の母親から子どもの命を奪うのを容認していることになる。他国の人々の生命を自分たちの安全のためのコストと見なすようなその考え方は歪んでおり、あまりにも非人間的ではないか。
 日本社会において、小泉首相をはじめとするアメリカ支持派も、対北朝鮮や石油の安定供給という「国益」のためにイラク戦争を支持するという日米同盟支持派も、イラクで多くの民間人が米軍に殺されている現状を(やむをえない犠牲)として容認している。それもやはり、他国の人々の生命を「国益」のためのコストと見なすような歪んだ非人間的な考え方である。
 バグダッドでnecessary costと発言した米兵だが、彼はその後どうなったのだろう。戦死や負傷もせずに帰れただろうか。イラクで米兵の死傷者も増え続けている。米政府・米軍の高官の視点から見れば、死傷した米兵もまた戦争遂行のnecessary costとして位置づけられている。兵士は軍隊組織の歯車、軍事作戦の駒、戦争の消耗品として扱われるのが古今東西の戦争の現実である。国家によって兵士は人的資源として動員され、コストとして使い捨てられる。
 そして、necessary cost視される兵士が、同じようにnecessary cost視される他国の民衆の命を奪っているという構図がある。その背後で命令を下す政治家たちは野望を満たし、将軍らは勲章を手にし、高級官僚は出世し、軍の仕事を請け負う企業や財界人は利益を得ている。米軍の兵站支援とイラク復興事業を請け負うケロッグ社やハリバートン社と関係の深い、チェイニー副大統領のような「一人二役」の例もある。これが戦争の醜い構造・からくりだ。
 しかし、為政者にとって、自軍の兵士の死が戦争のコストだとあからさまに口にするわけにはいかない。それでは軍人とその家族・遺族の納得、国民の戦争支持は得られないからだ。戦争の醜い構造・からくりを覆い隠す必要がある。では、どうずるのか。兵士の死は「国のために命を捧げた尊い犠牲」と置き換えるのである。英語で言えばsacrificeである。
 それは論理のすり替え、一種のシンボル操作だ。遺族を招いて厳粛な軍葬や国葬がおこなわれる。戦死者は「英霊」として称えられ、葬られ、祀られる。慰霊碑がつくられ、追悼式典も催される。愛国心が喚起される。これが戦争のもうひとつのからくりだ。そのため、兵士が自らもnecessary cost視される存在だと事の本質を見抜くのは容易ではない。


この文章を読んで「靖国」を想起するのは私だけではないでしょう。小泉氏が「靖国」に並々ならぬこだわりを見せるのも無理はありません。
posted by PPFV at 01:35| Comment(0) | TrackBack(2) | 不定期日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月01日

[共同通信]靖国神社参拝は慎重に 河野議長と歴代首相が一致

靖国神社参拝は慎重に 河野議長と歴代首相が一致(共同通信2005/6/1)
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=MYZ&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2005060101002220

小泉氏どう出るか私も注目。普通に考えればとり得る態度は想像つきそうですが、前代未聞のパフォーマンスに出る可能性も否定できないです・・・。
posted by PPFV at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[PUBLICITY]Attacフランス」の声明〜EU憲法条約のフランス国民投票について

メールマガジン「PUBLICITY」より
登録申し込みはこちら↓
http://www.emaga.com/info/7777.html
正直、私も良くわからなかったニュースだったのですが、とても興味深い記事でした。
長文ですが、転載可とのことですので、全文転載します。

▼「Attacフランス」の声明
 〜EU憲法条約のフランス国民投票について
▼きのう(5月31日)の東京は、夏の日差しと空気でしたよ。

EU憲法について、朝日の記事を抜粋。

「欧州連合(EU)憲法条約の是非を問うフランスの国民投票
は29日即日開票され、反対54.87%、賛成45.13%
という予想以上の大差で同条約の批准は拒否された。

25カ国に拡大したEUの基本法である憲法条約が、旗振り役
のフランスで拒否されたことで、欧州統合の歩みには強いブレ
ーキがかかり、EUは打開策を迫られる」

大きな話だね。ということで、以下の投稿をいただいた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
EU憲法条約のフランス国民投票の結果について、Attacジャパ
ンで活動している友人の翻訳者からAttacフランスの声明の翻
訳をもらいました。

友人は、「(憲法条約反対)運動は、基本的に新自由主義のグ
ローバリゼーションに反対して、新自由主義ではないもうひと
つの社会的ヨーロッパを目指す運動であり、この運動の勝利で
あるということです」といっています。

その友人によれば、日本ではきのう(31日)の朝日新聞朝刊が
比較的正確に正しく分析しているとのことです。日本国内では
余り知られていないようですが、Attacフランスの声明を読む
と、とても大きなことだということがわかります。

長いのですが、声明を添付します。

それから、今年3月の「郵便局の民営化反対」を掲げたデモの
様子のレポートを送ります。最後の部分に、憲法条約のことが
書かれています。

「フランス社会運動の雪合戦」
http://www.jca.apc.org/attac-jp/japanese/20050305france.html

(菊地原博さん)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


菊地原さんに感謝。なるほどー、EU憲法は新自由主義だ、と
いうことで反対している人がいるわけですね。10%超の失業
率とも、関係あるんだろうねえ。

以下に、いただいたAttacフランスの声明を紹介する。読点と
か若干直し、適宜▼を入れた。固い文章なんだけど、貴重な資
料だ。たぶんどこのマスメディアにもまだ載ってないだろう、
うっしっし。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
立ち上がった意識的な民衆の勝利

Attac(フランス)ビューローのコミュニケ

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posted by PPFV at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[しんぶん赤旗主張]もんじゅ最高裁判決 安全軽視と行政追随の不当

もんじゅ最高裁判決 安全軽視と行政追随の不当(しんぶん赤旗主張2005/6/1)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-31/02_01_2.html

 また、高速増殖炉開発に取り組んできた欧米諸国は、技術的・経済的な困難により撤退しました。「もんじゅ」にはすでに八千億円以上の資金が投入されました。研究開発費は一兆円規模です。


原子力発電のコスト的優位性は、かつてさんざん聞かされたものですが、核廃棄物処理あるいは再処理に関するコストは算入されていなかったようです。
posted by PPFV at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする