http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061111k0000m040066000c.html
東京都の石原慎太郎知事は10日の定例会見で、いじめ自殺を予告する手紙について、文章能力から「あんなものは大人の文章だ。理路整然としていて、私は違うと思う」と述べ、大人によるいたずらの可能性が高いとの見方を示した。
石原知事は手紙を受けた文部科学省など関係機関の対応については「届けられた方は迷惑千万でね、放てきするわけにはいかないだろうから、防ぎようもない」と同情。
また、「とにかく親が関与すべきではないか。私なんか、子どもにけんかの仕方を教えた。非常に効果があって、たちまち相手を倒したら小学校で番長になっちゃった」と自身の子育て経験に触れた。そのうえで、「自分で戦ったらいい。ファイティングスピリットがなければ、一生どこへ行ってもいじめられるのではないか」と語った。
昨日(11日)フジテレビでの特番でも同様の暴言を繰り返している。
さらには「死ぬのならサッサと・・・」と言いかけて爆笑問題田中裕二氏に遮られている。
この時ばかりは、さすがにカッと頭に血が上ってしまった。
と同時にこのことを思い出してしまった。
ベトナム戦争中に石原慎太郎氏は、解放区(現政府側)を砲撃していた南ベトナム軍の砲兵陣地を視察したが、そこで副官から「大砲の引き金を引いて見ないか」とすすめられた。石原慎太郎氏は言われるまま引き金を引こうとしたところ、居合わせた若いフォト・ジャーナリスト石川文洋氏から「あなたに、向こうにいる人たちを殺す理由はないはずです」とたしなめられたという。石川文洋氏の著作『ベトナム最前線』(読売新聞社)の序文に石原慎太郎氏本人が書いていることだ。
彼は同じことを今も繰り返している。
自殺予告の11日をとにかくも無事に通り過ぎたと思ったのもつかの間、中一女の子と小学校長が自ら命を断った。
冥福を祈ると共に同情を禁じえない。
今はとにかく、まさに消えんとしている命を救うことに全力が尽くさなければならない。
もしそれがわが子であったなら、しっかりと抱きとめ決して学校へなど向かわせてはならない。
もしそれがわが父であったなら、決してそばを離れてはならない。
溺れている子供を前にしながら、コップで池の水をすくうような議論はあってはならない。
まずは命を守ること。下らぬ議論はそれからだ。自省もこめて。