山口二郎氏「週刊金曜日」での発言に続いて「マガジン9条」での発言。基本同様の論調であるが「日本共産党」に対する論調がややソフトになった観がある。かわりに「日本共産党支持者」あるいは「強硬な護憲派」には『大人になれ』『変なアマチュアリズム』となかなか手厳しい。
緊急提言 選挙は結果が全て。戦略的に考えて投票しよう。(マガジン9条 2007/3/21)
http://www.magazine9.jp/saito/index2.html石原再選への危機感はわかるが、それにしてもあまりに粗雑な緊急提言ではなかろうか。
正直、何だかうんざりしている。何でこうも勝手な論理をもって「大人になれ」だの「アマチュア」だのエラそうに言われなあかんのか。
まだ「イシハラ」の方が潔くてマシのような気さえしてくる。
案外、政治になんかあまり関心のない「無党派層」とやらも、そんなところじゃないのか。
申し訳ないが、そもそも、私の場合「石原を倒すこと」が第一の目標なんかではないし、地道な活動や理想を嗤う態度も気に食わないし・・・とつらつらそんなことを考えてたら、ん?何か前にもこんなことがあったぞ・・・デジャヴ。
ああ、「STOP THE KOIZUMI」だ。
小泉打倒に一点集中し民主党に票を結集せよ!という話だった。邪魔する共産党はけしからんという話しだった。
もちろん私は反対。何しろ「STOP THE KOIZUMI」の掛け声と地道な活動への罵倒だけで「KOIZUMI以後」の論議のなんと粗雑なことか。「打倒石原」の掛け声ばかりの今の状況とよく似ている。
で「STOP THE KOIZUMI」はどうなった?STOPせずとも小泉氏とっとと辞めてしまったが「STOP THE KOIZUMI」の目標は達せられたのか。
そして彼らが嗤った地道な活動は変わらず続けられてきたしこれからも続けられるのである。
今回の山口氏の緊急提言にはいちいち反論する気力もないが、この提言が掲載されたのは何しろマガジン9条のHPであるので一点だけ。
そうした時に、自分たちこそが「一番正しい護憲派だ」「あれはインチキな護憲だ」などという議論を絶対にしちゃいけない。それはあまりにもリアリズムの欠如です。いろんな護憲があっていいんです。守るべき最後の一線だけは共有しておけば。「憲法9条は変えない。」「集団的自衛権は認めない。」「自衛隊は海外で武力行使はしない。」それだけで十分でしょう。
その最後の一線はきちんと担保されているのか?浅野氏で。
マガジン9条の編集部の方にも苦言申し上げたい。
悲しいかな、ここはマガジン9条のHPである。理想を嗤っていていいのか。理想なくしては守るべき9条も生まれなかったはずである。理想を嗤いながら一体何を守ろうというのか。
今日も駅頭で「9条を守ろう」としている人たちがいる。共産党と何らかの関わりをもつ人も少なくないはずだ。戦略戦術などという言葉に惑わされて「マガジン9条」自ら、結果彼らを嗤ってしまったことはまことに残念だ。
ところで「戦略的投票」とやらが根付いているというイギリスの政治状況ってどうなの。
《関連エントリー》
[YamaguchiJiro.com]反石原の統一戦線を
http://ppfvblog.seesaa.net/article/35899886.html
posted by PPFV at 17:45| パリ ☁|
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