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何か心境の変化でもあったんでしょうか山口二郎氏。日ごろ民主党に並々ならぬ期待を寄せ「民主党に票を集約せよ」とか「小異を捨て大同につけ」とか主張してきた氏ですが、ここへきて「何のための政権交代か」と疑問を投げかけておられます。ん〜、民主党の姿勢に疑問を持たれるのはもちろん結構なことですが、何も今頃という気がしないでもありません。民主党の本質的姿勢は良くも悪くも随分以前より変わってはおりません。
山口氏の真意は測り兼ねますが、いい風に解釈すれば「政権交代を前にした熱烈支持政党でさえ冷静に分析する大学教授」とか、逆に穿った見方すれば「政権交代失敗後の逃げ道を用意する大学教授」とか。
でも、山口氏の以下の主張には私も概ね同感です。
民主政治の深化のために政権交代が必要だという議論は、一つの真理である。しかし、せっかくの政権交代が政党政治の浄化、自民党に対するお灸で終わってはもったいない。仮に、新しい政権が見るべき政策的成果を上げられないなら、国民の政治的欲求不満は一層大きなものになり、政党政治そのものが大きな危機に陥るかもしれない。
「政党政治の浄化、自民党に対するお灸」なるかどうかは怪しいものですが、政権交代(の失敗)の弊害については私もそう思います。
「何のための政権交代か?」これは私にとっても長年の「疑問」であり「文句」であるわけですが、山口氏は民主党の政策の具体性のなさに不安の原因があると述べています。
ん〜、はたしてそうでしょうか。私はもっと本質的なところに不安の原因はあると思いますけどね。たとえば「本当に国民の側に立とうとしているか」とか。そこをごまかしてしまっては「友愛」って言葉くらいは言えたとしても「具体的政策」「日本をどう造り替えたいのか」など言えないのではないでしょうかね。おそらく矛盾が露呈することになるでしょうから。