結局、「小選挙区制」「二大政党制」の檻に入れられたということでしょうか。小選挙区制は導入当初から数々の問題が指摘されてきました。しかしそんなことも忘れたかのように「勝てる候補に票を集中せよ」の声とともに、見事なまでに小選挙区制度の機能を果たさせることになりました。それに呼応するかのようにメディアは二者択一的報道に徹しました。中選挙区である都議会選挙においてもその影響は如実に現れたと思います。そんな中で共産党は議席を減らしましたが当然のことです。こと多勢になびくことの多い国民性にあっては、それを跳ね返すことは至難の業です。私は党員でも支持者でもありませんが、おそらく支持者である人はそれを理解し支え続ける人であろうと思います。
「二大政党制」において民主主義は機能しません。
「民主党」の役割、ひいては「二大政党制」の役割、さらに言えば「小選挙区制」の役割、これらすべては国民の選択(意思)を「自民党的政治」へと収束させることにあると思います。その実現に向けては、「今は右往左往しているように見える自民党」を中心に着々と準備が進められてきたという経緯があります。そうした一連の流れの中で有権者自ら多様な意見を排除しようとする姿勢を取り続ければそのシステムはさらに磐石なものとなります。「自民党」も「民主党」もそのシステムを構成する一要素なのですから、「自民も民主も同じ」あるいは「単なる派閥争い」という指摘は決して投げやりな態度でも何でもなく、ある意味的を得た指摘であると言えます。むしろ「自民」と「民主」の細かな違いを探すことなどはその本質を見ない無駄な作業です。
民主党は左派・リベラルの支持だけでなく多くの保守層の支持を得ているからこそ二大政党の一翼を担えるのであって、残念ながらこの国はその保守層が多数派を占めるということを忘れてはいけません。少なくとも左派・リベラルの方々には今一度「小選挙区制」「二大政党制」の檻から抜け出し、望むべき政党を支持されることを望みます。