たびたび取り上げていただきまことにありがとうございます。
民主党に対してどういう態度をとるべきか。 (2)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-805.html
まずは民主党に対する認識に大きな違いがあるように思います。村野瀬玲奈さんは「自民党と共産党の中間に位置する民主党」と説明されますが、私としては「自民党と極めて近い位置にいる民主党」と評価せざるを得ません。私なりに各局面での民主党自ら示した事実をもとに下した評価ですが、この評価如何で民主党に何を求めるかという点で大きな違いが出てくるように思います。村野瀬玲奈さんによる評価によれば「どしどし要望を寄せて少しでもよい方向に持っていこう」というご意見も当然在りうる行動でしょう。
しかし大きな流れに目を留めれば、民主党に求められている機能が何で、またその民主党はどのような求めに応じようとしているのか浮かび上がってくるのではないでしょうか。
もはや自公による安定政権の維持が難しくなってしまった今、民主党に求められているのは自公政権に代わる政治能力(自民党的政治の遂行能力)であり、一般にはそれを「政権担当能力」と称するようです。
民主党:派遣法改正で苦慮 野党共闘か歩み寄り路線か(毎日新聞2008/7/26)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080726k0000m010096000c.html
労働者の格差是正を図る労働者派遣法改正を巡り、民主党が対応に苦慮している。日雇い派遣の原則禁止を目指す政府方針に対抗し、より厳しい規制内容の改正案を野党4党でまとめるよう社民党が求めているためだ。民主党は、先の通常国会で与党との修正協議を視野に改正案の単独提出を検討したが、他の3野党の反対で断念した経緯がある。臨時国会を前に、再び「野党共闘」と「歩み寄り路線」の間で難しいかじ取りを迫られそうだ。
「野党4党目指すところは同じ。ぜひ協議していきたい」。民主党の山田正彦「次の内閣」厚生労働担当は25日、東京都内で開かれた集会の冒頭で同党の改正案を説明して訴えた。しかし他の3野党代表の発言を聞くことはなく、30分足らずで会場を去った。
野党4党はそれぞれ独自の改正案をまとめたが、社民、共産、国民新の3党は派遣可能職種を「専門職に限り、製造業には認めない」で一致。「現行法通り」の民主党とは隔たりがある。社民党の福島瑞穂党首は、23日の会見で「(3党が主張する)ラインで野党結束して法案を出せるよう、民主党に働き掛ける」と述べた。
民主党の改正案は、派遣会社の支援を受ける議員がいる、といった複雑な党内事情の中でようやくまとめたもの。今月上旬には、山田氏自ら鳩山由紀夫幹事長に「厳しい規制を求める他党と交渉すれば、党内がまとまらなくなる」と訴えた。
「政権担当能力が問われており、今さら非現実的な案にはできない」との判断もある。改正案作りに携わる実務者の一人は「現状は製造業への派遣がかなり多く、いきなり全面禁止では、社会的混乱をきたす」と話す。【小山由宇】
「今さら非現実的な案にはできない」とは、いったい誰にとって非現実的なのかは言うまでもないでしょう。まさにその「政権担当能力」をアピールするために汲々としているように見えます。
政権交代の実現、これすなわち晴れて「保保二大政党制」の始まりであり、これは財界がこぞって待ち望んでいた政治体制ではないでしょうか。
村野瀬玲奈さんからTBいただいたもうひとつのエントリーhttp://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-803.htmlに気になるコメントがありました。
もしそれでその政権の政策が国民の意に反する場合は、また次の政治体制に選挙で変えればいいだけのことです。
次の政治体制とは?勝てる可能性がその判断基準であるとするならばおのずと「自民党」ということになりはしないでしょうか。
>今、民主党に求められているのは自公政権に代わる政治能力(自民党的政治の遂行能力)
>政権交代の実現、これすなわち晴れて「保保二大政党制」の始まりであり、これは財界がこぞって待ち望んでいた政治体制ではないでしょうか。
私も、ブログ主さんと同じような感想を持っています。
先日、民主党の馬渕議員の演説会に参加しました。馬渕議員がいう自民党との違いは、生活者の立場に立つかどうかということだけ。
こんなことは公明党だって口にする謳い文句でしょう。
国政の根幹である日米安保に絡む米軍再編とか新自由主義経済に対する言及、あるいは憲法は、消費税は、ということはいっさいなし、挙句は自分が信奉するのは田中の角さんという始末。
こりゃダメだと感じた次第。
コメントまことにありがとうございます。
「生活者の立場に立つ」とは謳っても、それが具体的な政策に反映されなくては、批判されてもいたしかたありません。
「政権交代後、財界の思惑を越えて乗り越えるかどうかは人民のたたかい如何」との反論TBもいただきましたが、そのような事実をもってしても、政権交代を望んだ人民にそのようなたたかいができるのか、はなはだ疑問だなあと思った次第です。
どうぞ今後ともよろしくお願いします。
>村野瀬玲奈さんは「自民党と共産党の中間に位置する民主党」と説明されますが、私としては「自民党と極めて近い位置にいる民主党」と評価せざるを得ません。
私は「中間」という言葉を「中点」というような比例尺度的に使ったつもりではなく、順序尺度的に使ったつもりでした。自民党のあげた得点が0で共産党の得点が100だとしたら民主党の得点はど真ん中に近い50前後だと言うつもりはなく、共産党を一番目としたら民主党は二番目、自民党は三番目、という順位的な意味合いです。民主党総体としてみたら、獲得した得点は50前後よりも0に近いところに位置すると思います。その点についてはPPFVさんと私の認識はそんなに違っていません。私が使った「中間」という言葉は、「対立するA派とB派の中間派」というときに「中間派」の中にも濃淡がある、というような文脈でご理解いただければと思います。しかし、民主党が10、あるいは20という位置であっても、自民党の0よりは100に近いからましだと思う、0から100に一気に飛ぶことが現実には難しそうなので、まずは0を10にして、その次に10を20にして、というように少しずつでもスコアを上げていこうと考えるあたりからPPFVさんと私の解釈がわかれてくるのでしょうか。いずれにしても、「中間」という言葉が誤解を生むようであれば、私の使った最初の表現を訂正します。
そのうえで、PPFVさんと私の違いはどうしても残るようです。
一つには、今の民主党を、どうはたらきかけても未来永劫にわたって修正のきかない新自由主義的な硬い一枚岩の固定した組織のようにとらえるか、核には自民党に近いところもあるけど一人一人の議員を見ていけばいろいろな傾向をもった議員の集まりという多層的なゆるい集まりとしてとらえるか、ということ。
二つには、新自由主義的な部分もたしかに多い現在の民主党という勢力に対して、有権者がはたらきかければ、あるいは政策協議でのほかの政党との組み合わせ次第では少しずつでも変わりうる、あるいは個別の議員レベルでは話が通じる、という希望を持たないか持つかということ。
こういう説明のしかたでいかがでしょうか。
「民主党が過去おこなってきた政治的行動を見れば、民主党は信用できないことは明らかである」という趣旨でPPFVさんがおっしゃることに真っ向から反対しようとは思いません。むしろ、おおむね同意します。
しかし、民主党や民主党議員に国民からのメッセージを届けることによって過去の政策を反省させることができるかもしれないと希望を持つか持たないかという考え方の違いはある意味で信念の違いですので、天動説と地動説の対立のようなものではなく、キリスト教と仏教のように、各人がそれぞれの信念を持ち続けるしかないのだとは思います。あるいは、性善説と性悪説のちがいのように、どちらにもそれぞれの根拠がある、というようなものだと思います。そのうえで、私は、日本の政治を少しでも良くしていくための方法を一つでも多く探し続けたいと思っています。
そこで、良い政治とはどうあるべきかという点についてはPPFVさんも私もほとんど同じだと思いますので、PPFVさんにぜひおうかがいしたいことがあります。
PPFVさんは、何に、あるいは、誰のどのような行動に、日本の政治の改善の希望を託しますか。そしてそのためにはどのようなアクションが必要だと思いますか。あるいは、PPFVさん自身、実際にやっていらっしゃいますか。
民主党の現在の主流の政策的方向性が(たとえば)社会民主主義的なものではなくて新自由主義的なものであることを広く知らせることが重要、という内容のことを別の記事で読みました。そして、それを広く知らせることは重要だと私も思いますが、そのために何ができるでしょうか?誰にどのように知らせるべきでしょうか?民主党支持者、PPFVさんの言葉を借りれば「『政権交代真理教』被害者」に知らせるべきだとおっしゃるのだと思います。たしかにそうだとも思うのですが、民主党支持者が説得可能なのであれば、民主党議員に同じメッセージを届けようとすることが全く無駄だとは私は思わないのです。
質問が多くなってしまいましたが、私も、希望を託すことのできるアクションがあればやっていきたいと思っておりますので、PPFVさんが実際にやっていらっしゃることから参考になることは取り入れたいと思っております。
もしPPFVさんが民主党にも個々の民主党議員にも何の希望も託せないとおっしゃるのなら、たとえば共産党が少しくらいがんばっても、少しくらい議席を伸ばしても、自民党と民主党と公明党が手を組めば新自由主義的政策でも国家主義的政策でもなんでもやり放題である日本にはもはや何の希望もないということなのでしょうか?そんなことも思ってしまいましたので、お尋ねさせていただきました。議論のための議論ではなく、より良い知恵を探したいという思いから今までも今回も書かせていただいております。
議論にお付き合いいただきましてありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
追伸 このコメントで書いたことは私自身もいつでも参照できるようにしておきたいと思いますので、私のブログにも載せさせていただきますのでご了承くださいますようお願いします。
横レスですみません。私も一人の日本共産党員(50代前半)として、ある民主党支持者(30代後半)に無料赤旗日曜版を配達しながら対話しているのですが、「日本でもアメリカの動向(情勢)と呼応して民主党政権が誕生すれば今よりはましになる」という考えを、今も変えてくれていません(もう2年以上の付き合いなのにもかかわらず)。私の党員能力(レベル)の問題かもしれませんが…(彼は大学経済学部卒なので、高校普通科卒の私の方が、それに負けているとも言えるのですが)。
>希望を託すことのできるアクション
>そのために何ができるでしょうか?
>誰にどのように知らせるべきでしょうか?
民主党は、財界の意向に従い新自由主義を維持しながら、庶民を騙す。
これまでもそうしてきたし、これからもそうし続ける。
庶民は民主党を信用してはいけない。
・・・ということを、とりあえずブログに繰り返し書けばよろしいのでは。
PPFVさんはそうしておられます。
>民主党議員に同じメッセージを届けよう
>とすることが全く無駄だとは私は思わない
>のです。
相手は詐欺師であり、財界からの献金を断ることさえできません。
ゆえに言っても無駄です。
>共産党が少しくらいがんばっても、少し
>くらい議席を伸ばしても、自民党と民主党
>と公明党が手を組めば新自由主義的政策
>でも国家主義的政策でもなんでもやり放題
>である日本にはもはや何の希望もないと
>いうことなのでしょうか?
社会全体で見た「最大多数の最大幸福」がなくその代わりが「多数の負け組」であっても、自分が「多数の負け組」にならなければ、個人レベルでの希望は十分あるでしょう。
民主党の致命傷ですね。社民党には、「政党助成金なんていらない」と言って共産党と共闘してもらいたいと思います。
共産党員でも、自分が「多数の負け組」になったら、個人レベルでの希望は不十分になります。だから共産党を非党員ブロガーの側からたたいて党員を自己否定的に追い込むようなコメントよりも、革新統一戦線的に連帯してくれ、「共産党は今までの共産党のままでいい」というように自己肯定観を促してくれるコメントの方が耳が痛くないわけです。
多忙のためお返事できず申し訳ありません。もちろんコメントさしあげたいこともございますので、また改めてコメントさせていただきます。よろしくお願いします。
latter_autumnさん、mico_tenarさん、たびたびコメントいただきまことにありがとうございます。