2009年07月07日

本当の争点は何?偽装変革に惑わされるな

【静岡県知事選】一夜明け川勝氏「静岡変わった。国政も」(産経新聞2009/7/7)
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090706/lcl0907061138006-n1.htm

「保守王国静岡が変わった。国政にも影響するだろう」と感想を述べ、あらためて勝利をかみしめた。


いや、見事な保守王国ぶりは変わっちゃいないでしょう。兵庫県知事選と共産党候補の得票数の違いなどを見ればわかるように、見事な保守王国のままです。あくまで保守の間で票が動いただけで要は「偽装変革」といっていいでしょう。ましてやどちらがマシな保守なのか・・・はなはだ怪しい。にもかかわらず「自民」から「民主」に変わっただけで変革できたかのように錯覚してしまう。国政においてもしかり。「二大政党制」「政権交代」が果たす役割もこのことに他なりません。

【静岡県知事選】川勝氏が当確 大型地方選で民主4連勝 自民党内に「麻生退陣論」広がる (産経新聞2009/7/5)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090705/stt0907052318007-n3.htm

 川勝氏は、比較経済史専門の経済学者。安倍内閣では教育再生会議の分科会主査や「美しい国づくり」企画会議の委員などを務め、有識者メンバーとして国政にかかわった。「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者にも名を連ねている。


国民生活にとっての「本当の変革」ならば、そもそも産経新聞が嬉々として報じるわけがないでしょうが。

マスコミは自民党の敵でもなければ民主党の敵でもありません。商業マスコミには国民にとっての本当の争点など明らかにできるはずがないのです。「自民か民主か、政権交代こそが最大の争点」はあくまで偽装変革に過ぎません。
国民生活のための本質的な争点は選挙民みずから見極めなければ、本当の意味での国民のための政治が訪れることはありません。
posted by PPFV at 23:48| パリ ☀| Comment(12) | TrackBack(2) | 政権交代真理教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3Kとしては「つくる会」仲間の知事が増えてウハウハですよ♪
(もっとも実は仲間内でも結構いがみ合ってるそうですが。)

そして社民党、またまたやってくれちゃいましたね☆

http://www5.sdp.or.jp/comment/2009/dannwa090705.htm

こっちでは

http://www5.sdp.or.jp/vision/vision.htm

新自由主義や新保守主義に反対してたんでなかったのかね。
「アジア諸国を侵略・植民地支配した加害者としての歴史、そして人類初の原子爆弾による被爆国としての歴史を踏まえた時」という件もあるね。
Posted by latter_autumn at 2009年07月08日 17:48
latter_autumnさん、コメントありがとうございます。

まったく節操のなさにあきれます。
立派なことはいくらでも言えますが(むしろ責任感あればなかなか言えない)、行動がすべてを物語ってしまいます。であれば「社民宣言」など何の意味もない。

「私たちが広げていくべき民主主義は、多数の意思をもって少数を排除するものでは決してありません。」

といいつつ勝ち馬に乗るとかね。
Posted by PPFV at 2009年07月08日 21:55
「小異を捨てて大同につく」言葉は便利なもので、「政権交代」のためなら「反貧困」「格差解消」はどうでもいいのか。 

生活が脅かされ、まさに待った無しの状況で有るのにも係わらず「自民よりはマシだから」(どこが?)指摘されると「付帯決議」「修正」したから自民と違うんだと言う厚顔無恥な思考・・世間から信用されないのではと思われるけど、いかんせん声だけは大きいから周りがそれに引き寄せられてしまう現状。

以前、このブログで「政権交代を望む人は案外、新自由主義の恩恵を受けているのでは?」とあったけど、案外そうなのかなと感じるこの頃。

「郵政選挙」よろしくで「政権交代」が実現し、期待外れに終わっても、しっかり責任取るのかな?
Posted by おの いりこ at 2009年07月08日 21:59
おのいりこさん、コメントありがとうございます。

そもそも「反貧困」「格差解消」を小異と言っていいものなのかですよねぇ。もはや「つくる会知事」も小異のようですから何をかいわんやですが。そしてその「大同」とやらも中身はカラッポというか、もともと仮想敵でしかない有様です。

>「郵政選挙」よろしくで「政権交代」が実現し、期待外れに終わっても、しっかり責任取るのかな?

責任は取れとまでは言いませんが、次回は間違えないでいただきたいと思いますね。まあその前に間違えたことを認識してもらう必要がありますが、また責任転嫁するんでしょうか(共産党が頼りないからとか・・・)。
Posted by PPFV at 2009年07月08日 23:17
PPFVさん、こんばんは。
いつも楽しみに読んでいます。

ある民主党支持者さんは川勝知事(及び彼を支持した民主、社民)への批判について川勝さんは、「つくる会」支持者じゃないんだ!、それは「つくる会」のデマだ!、と川勝氏(及び彼を支持した民主、社民)擁護に必死です。

『川勝知事は「新しい歴史教科書をつくる会」には賛同していなかった!』
http://hiroseto.exblog.jp/10594206/

デマが事実だとしても『安倍内閣では教育再生会議の分科会主査や「美しい国づくり」企画会議の委員などを務め』た以上、支持に問題なかったなんて居直れないと思うんですがね?
PPFVさんやlatter_autumnさんが指摘されている典型的な「政権交代真理教」なんでしょうね。この人。
Posted by bogus-simotukare at 2009年07月11日 21:04
bogus-simotukareさん、はじめまして。
コメントまことにありがとうございます。

「川勝氏つくる会じゃなかった」というエントリーは私も拝見しました。
とはいえ私の今回のエントリー「こんな政権交代など変革でもなんでもない。偽装変革である」という趣旨はなんら影響を受けるものではないんですが、それにしても知事会見での発言読んでるとかなり妙なこと言われてますね。たとえば『御承知のように蓋を開けたところ特定の問題について必ずしも歴史家でない人たちが自らイデオロギーを論じる場になっていたので』とか。いつの時点のことかはっきりしませんが、それにしても「蓋を開けないとわからないこと」なのか。自身『御承知のように』といわれてるように、皆承知していることでしょう(笑)。百歩譲って「当時は知らなかった」としてもこれhttp://kyoukashokaizen.blog114.fc2.com/blog-entry-16.htmlなどはわずか一年程前のことですからね。そもそも「つくる会」賛同者だから投票したという人もいるんじゃないだろうか。川勝氏のマニュフェストを見る限りではこのような背景が微塵もみられないことにむしろ警戒すべきものを感じますけども。

またどうぞおいでください。
Posted by PPFV at 2009年07月12日 01:41
PPFVさん
 
>またどうぞおいでください。

とのありがたいお言葉なので、早速来ました。(笑)
PPFVさんご紹介の川勝氏の講演会の主催者「教科書改善の会」「日本教育再生機構」は明らかに「つくる会」と同じ事(「太平洋戦争はアジア解放の戦争」とか)を主張する団体だと思います。
またウィキペディアによると「教科書改善の会」、正式名称は「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」だそうです。明らかに「教育基本法」改正に好意的ですね、川勝氏。かの「民主党支持者」も含め、自称リベラルの民主党支持者は「教育基本法」改正に反対ではなかったんでしょうか?
かの「民主党支持者」にとってはそんなことどうでもいいんでしょうね。
ああいう人は「つくる会じゃないからいい!」「講演会の講師になっただけで『改善の会』賛同者に名前をつらねている訳ではない!」とか居直りそうで怖いです。ああいう団体の講演会の講師になっただけで充分問題だと思いますけどね、私は。そのくせして、共産党が都知事選に候補を出しただけで民主が不利になる、自民党をアシストしているとか非難するのは本当にやめてもらいたいものです。

まあ、私は京都市長選で、門川大作氏(現市長、元市教育長、安倍内閣教育再生会議委員)を支持した民主、社民は共産党と違って、自民党を叩くネタに使っているだけで本心では「教育基本法」のことなどどうでもいいのではないかと疑っていますが。
候補者をたてられなければ自主投票にすればいいのに、わざわざ門川氏を支持したのだから言い訳の余地はないでしょう。共産党がアンチ門川の候補を立てて、善戦しているのだからなおさらです。単純計算すれば民主・社民が共産候補を支持すれば勝てたかもしれないのに、そういうことは平気で無視しますよね、ああいう方は。

大変長文になりましたが今後もどうかよろしくお願いいたします。
Posted by bogus-simotukare at 2009年07月12日 06:35
bogus-simotukareさん、コメントありがとうございます。

京都市長選については間違いなく勝ってますね。共産党引っ込め論の理由として「理想」よりも「勝てる候補」とは良く言われることですが、この事例を見る限りどうもそれだけじゃないみたいです。結局、共産党であることそのものがダメなんじゃないかと(笑)。
この件については以前にちょっと取り上げました。
http://ppfvblog.seesaa.net/article/95455523.html

こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
Posted by PPFV at 2009年07月12日 21:35
PPFVさん

たびたびの投稿どうもすみません。

>京都市長選開票結果
>門川 大作 158,472(自民、公明、民主府連、社民府連推薦)
>中村 和雄 157,521(共産推薦)
>村山 祥栄 84,750
>岡田登史彦 24,702

うろ覚えで書いていたので善戦と書いてごまかしていた(?)のですが、PPFVさんのエントリによれば「四人もたっていて千票くらいしか票差がない」から「門川氏のバックの力(自公民社)」を考えれば共産党は大善戦だったのですね。

静岡県知事選で海野候補(前民主党参議院議員)、共産党の候補を「自民に塩を送る敵」呼ばわりしている方も「政権交代真理教徒」にはおられましたが、京都市長選の「村山候補」、「岡田候補」のことを共産党(や支持者)が「門川候補に塩を送った敵」「村山や奥田がいなければ我々が勝てた」と言い出したら彼らは何と言うんでしょうね?

まあ、そういうことは考えないのが「政権交代真理教徒」なんでしょうが。

また長文になってしまいました。
今後もどうかよろしく。


Posted by bogus-simotukare at 2009年07月13日 06:38
>川勝氏(及び彼を支持した民主、社民)擁護

PPFVさんの挙げた講演会の件は決定的証拠ですね。
「教科書改善の会」は「つくる会」から分裂した団体で、やってることはどっちも同じ。いがみ合っていても所詮はウハウハの同類ですから。「一線も二線も画しております」云々には、まるで説得力なし。

http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/siryou20060314.htm

川勝氏は「つくる会」には賛同していなかった!
川勝氏が賛同しているのは「つくる会」じゃなくて「教科書改善の会」だ!
・・・などと言ったところで、本質を誤魔化す詭弁以外の何物でもない。
Posted by latter_autumn at 2009年07月13日 16:58
bogus-simotukareさん、コメントありがとうございます。

わずか951票差ですからね。もちろん「政権交代真理教」の方々はほぼスルーだったわけですが、すくなくともマガジン9条でさえこんな論調だったことにまことにがっかりした次第です。少なくとも9条を守るという視点から行けば共産党は最善の選択だと思うのですが、この京都市長選の結果を見て、どう思うんだと。
Posted by PPFV at 2009年07月13日 23:32
latter_autumnさん、コメントありがとうございます。

まったく「一線も二線も画しております」が聞いてあきれます。歴史修正主義者の方々もさぞ怒っておられることでしょう。
Posted by PPFV at 2009年07月13日 23:35
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