スーダン西部のダルフールで集団殺戮が行われていると、欧米が非難しているが実態はどうなのか? 国境無き医師団は、集団殺戮と表現したパウウェル米国務長官の発言を真っ向から否定した。14日付のスーダン紙、アル・サハーファが報じた。
非政府組織(NGO)の国境無き医師団の幹部フランソワーズ・ブシェ・ソミエ女史は、ラジオ・フランス・アンフォに、「パウウェル発言は米国の個人的利益を目的としたもので、米国は集団殺戮に反対する強固な砦であるかのように世界に向けて演出することで、スーダンに圧力を強めている」と酷評した。
「大統領選が近づいたことで米国は、世界が苦しんでいる悲劇を国内政治に関する目的に利用している。米国民だけでなく世界中の目が、米国の発言の信憑性に疑念を抱く危険性がある」
「我が医師団がダルフール全土で調査したケースで、民間人がダルフールで、集団殺戮に晒された結果であると裏付けられるものは皆無であった」
また同ラジオは、「米国がこの件で実施した調査は、ダルフールではなくチャドで実施されたにも拘らず、米国は、重大な集団殺戮という表現を使うという冒険をした」と暴露した。
スーダン外務省はパウウェル発言を、「イラクが大量破壊兵器を保有している、という言いがかりと同じようなものだ」と評した。
http://alsahafa.info/news/index.php?type=3&id=2147492082&bk=1
《参考記事》
「スーダン住民迫害は集団殺害」米が国連決議求め声明(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0911/003.html
ダルフール紛争を「大量虐殺」と認定 米(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/040910/kok001.htm
9月8日付・読売社説(2)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040907ig91.htm
国連がスーダンに共同視察団派遣へ(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040908id28.htm
スーダンでの住民殺害を「ジェノサイド」…米大統領(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040910i312.htm