http://amaki.cocolog-nifty.com/amaki/2004/09/926.html
◇◆ 「戦前責任」という言葉 ◆◇
9月26日付の毎日新聞「ひと」欄に、「戦前責任」を問いかける長崎大学の哲学者、高橋眞司教授の言葉が掲載されていた。なるほど、こういう考え方があるのだと感心した。 戦争が終わった時点において、その戦争を開始した責任を戦争責任として問うことは一般的である。しかしある国が侵略戦争を行うよう着々と準備を整えていくときに、それに待ったをかけることなく現状を追認する責任も、戦前責任という形でやはり問われなくてはならないと高橋教授は言うのである。
62歳の高橋教授は大学の講義の中で学生たちに語りかける。
「君たちに戦争責任はない。しかし戦前責任はある。今は昔と違って誰にでも参政権がある。無関心、無自覚、無知な若い世代は、まさに戦前責任を問われているのだ」と。
これは何も若者に対してだけの責任ではない。今の日本を動かしている政治家、官僚たちが日米同盟の強化と言う形で日本を米国の戦争に加担していく政策を推し進めようとしているならば、それを防ぎとめる「戦前責任」は誰にでもある。これからはこの言葉を流行らせようか。
http://www.amaki.info/
※まあ、流行らせるかどうかは別にして、「戦前責任」という言葉なるほどと思う。私の父はもう80になろうとしているが古くからの自民党支持者である。その父がこのところの不穏な空気を不安がる。あの頃と似ているのだそうだ。
高橋眞司 研究室
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/
戦前責任
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/sekininn.html
こういうのを見る(読む)というのが「一次ソース(原文)に当たる」というわけで。
google使えれば、そんなに難しいことではありません。
しかしここから「昨年夏の長崎原爆忌のラジオ放送」のテキストを探すのが難しいです。
ということで、俺は高橋眞司先生のご意見に関しては、肯定も否定も難しくなるのです。
いくつか、質問があります。教えていただければ幸いです。
なお、いうまでもありませんが、質問の前提は私の理解であって、おっしゃられているところと食い違っているから出てきている質問かもしれません。
その点をご容赦くだされば幸いです。
1.ブログ作者も一次情報に当たっているかもしれない点について
おっしゃっている点ですが、ブログの著者が二次情報である新聞記事を挙げているからということを批判されているようですが(あくまでも私の見方では)、ではなぜ、その著者が一次情報を確認していない、と
決め付け
ることができるのでしょうか?一次情報を確認した上で二次情報である新聞記事を挙げる、ということは十分にありますよ。
私も時々そういうことをします。
それとも、ご意見は「一次情報がはっきり分かっているなら、二次情報はだすな」という主旨なのでしょうか。
2.一次情報の信憑性の確認方法について
それから、新聞社が出していることが二次情報だから、ということですが、一次情報と見られるもの、そのものの信憑性というのをどのように考えたらいいのでしょうか?
少なくとも新聞には多くの読者がいて、校閲がおかしな仕事をすると、結果として間違いが多くの読者の目に触れて、抗議をうけたり、クレームがきたりします。
だから記者もデスクも校閲も、おかしな記事がでないように努力するわけです。
まあ、その辺のできとか質の問題や、現状はともかくとして、「建前は」です。
だから二次情報であっても、新聞に書いていることは、ある程度一次情報の信憑性を保証することになります。
しかし、自分で一次情報に当たるであろうことを発見して、その信憑性を確認するにはどうしたらいいのでしょうか?
言ってみれば一次情報、とくに、インターネットの上にある情報というのは、だれでもすきなだけ、好きな時間、だすことができますから、それこそ、便所の落書きレベルから、貴重な(お金を払ってでも手に入れたい、という意味で)学術研究結果まであります。
しかし、その保証を取るために私が考えて行っていることは、
・複数サイトを確認する
・関連学会があればそこで過去の文献の有無を確認する
・自分の今までの価値観と知識に照らす
・辞書を見る、百科事典を見る
ということです。
しかし、これとて、誤りがありますし、判断材料はあっても、所詮は判断するのは、私という個人です。
結果は、私の判断結果にすぎません。信憑性などというものではないのです。
信憑性の確認というのをどうしたらいいのでしょう?
その判断の結果を客観的というためには、どういう保証があるのでしょうか?
3.私の意見
結局、私としては、複数の二次情報にあたることで、一次情報をあたったのとおなじ程度の価値があると思いますし*、必ずしも一次情報をあたる必要はないと思いますよ。
それから、ブログは個人の情報発信であり、あくまでも、どんなに頑張っても、個人の判断結果の領域をでません。それがどんな高邁な学者のサイト、であろうとも、です。
であるなら、ただ単に記事を紹介するサイトがあってもいいし、それを他人が自分の価値観で切り捨てる(こまったものだ、とかいう)ことはできないのではないかなぁ・・・と思うのです。
「できない」というのは、「良心に照らして」という意味で、ですよ。
*…具体例をだせばいいのですが、適当なのが見当たらないので省略します。
つまり、こうです。
ある事件があって、複数の新聞社のサイトで取り上げられている場合、ほとんど記述が変わらなければ独自取材がなくて、記者クラブでの会見からだな、と判断できる。
記述に相違が見つかる場合は、独自取材が多少入っていて、各社の意見のどれが合理性があるか、あるいは、各社を総合して判断すべきか判定が付く。
複数の新聞社がとりあげておらず、たとえばA新聞だけが取り上げている場合。
この場合は、一次情報がどこからでたものなのか、確認する。もし明記されていなければその記事についての信憑性は保留にする。
一次情報の出所の推測がつく、または明記されていれば、その一次情報にあたりをつける。
「かならずしも」と書いたとおり、一次情報にあたることも時には必要ですが、「すべて必要」ではないと考えます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040928
を拝見して、私の質問の答えとなる部分は、いくつかはおぼろげながらみえてきたのですが、あらためて、簡単で結構ですから、答えをいただけるとうれしく思います。
また、拝見した結果としても、私の意見は変わりません。
他人のブログがどうあるのか、それを批判の対象にするのは、やっぱり「できません」、私は。
したい人はしてもかまいませんが。
「無関心、無自覚、無知な若い世代は」という部分にはもともと多少の違和感感じますが、紹介いただいたリンクの文章と、天木氏の記事を読んだ限りでは印象の違いはありませんでした。ちなみに毎日新聞の当該記事も読みましたがやはり印象は同じです。
また時間があったらその記事も追記しましょう。皆さんも参考になるかもしれませんから。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040929#p2
これに対しますご意見の再レスは、少しヘトヘトなんで明日以降(できたら明後日以降)にさせてください、すみません。
高橋さんのテキストでは「戦争と平和―九段階接合理論」が読んでおきたいです。あと「日本平和学会」というのにも興味を持ちました。
以下のところのプロフィールを拝見しますと、学者(哲学者)としてはしっかりしたかたのように思えます。
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/db/researchsc/research5.php?rsc_no=41
お返事のエントリー、拝読しました。
丁寧で、手間のかかった記事を書いていただけたこと、感謝します。
大変分かりやすく読むことができました。
>>おれの意見は、二次情報へのリンク→一次情報へのリンクを張っておいてほしい(ちゃんと確認しているのなら)、ということです。
なるほど。分かりました。
しかし次の点
>>多分時間をおけば、オフィシャルな記者会見の記録が出てくると思います。オフィシャルというのは「言ったとおりの内容」という意味です。
こちらはどうなのでしょうか?
オフィシャルな記事では、確かに言ったことを変えてはいないと思いますが、言ったことで「書いていないこと」はあるかもしれませんね。
変えれば改ざんだけど、書かないのは単なる「編集」ともいえますから。
議事録のようなものだと、書かない、というような編集はしにくいのですが、「発言を記録から削除」ということはありますからね。新聞記事で「○○はこういった」とあっても、議事録にないことは考えられます。少数のケースですが、特殊なケースではありませんよ。
>>第三者から見て極力おかしくない程度レベルの客観的な判断はネットでサイトを開いている人間の、「情報収集」という不断の努力によって構築されます(なんか日本国憲法みたいだな)。
つまり、信憑性というのは一次情報をだしてきただけでは確保できないということですよね。
>>それで十分です。疲れているときの俺より、全然すごいです。俺の場合は「新聞のテキストをネタにしている」という以上のことはしてないです。政府批判みたいな社会正義とか、世の中に対する問題意識は薄いです。単に「本当は何だったのか・どうだったのか」に興味があるだけです。
うーん、以上のようなことをおっしゃっていることから考えると、
最初のPPFVさんへの批判
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040926#p1
における
「時事系blogでうんざりするのは、どこかで拾ってきたネタを吟味せず、元情報にも当たらないで延々と元テキストをコピーして、ほんのちょっとのコメントをつける、「+++ PPFV BLOG +++」みたいなスタイルのところが目立つこと、でしょうか」
は取り下げていただいたほうがいいかなぁ、と思いますよ。
だって、(結果としてご本人はそうであったというようなこともおっしゃっていますが)このエントリーをかかれたときにはPPFVさんが、元情報にあたっていなかったことも分からなかったし、おっしゃっていることとPPFVさんの記事を書く姿勢との間に、そんなに違いがあるとも思えませんから。
まあ、取り下げるかどうかは、他人からとやかく言われるようなことではないので、あくまでも、私の気持ちの問題ですけどね。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040926#p1
もうちょっとちゃんとしたエクスキューズは、明日以降にでも。
いろいろ教えていただいたこと、訂正していただけたこと、ありがとうございました。
>>もうちょっとちゃんとしたエクスキューズは、明日以降にでも。
これを待ってお礼をしようと思っていましたが、取り急ぎ、この時点ではまずはお礼します。