http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004201969/qid=1096380205/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/250-3037461-6095430
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冒頭「序に代えて」より
国防論を説くナショナリストへの返信
Sさん(第九条批判の便りを寄せた未知の男性)
非武装平和主義を”非現実的”だと批判するお手紙を拝読しました。国の独立と安全を願い、自由な秩序を守るために、ある程度の軍備をもつ必要は絶対にあるという論旨は、それなりに理解はできますし、何よりも真剣に物事を考えておられる点には、心情的にある種の共感さえ覚えました。しかし、”賊の侵入を防ぐためにカギを備えるのは当然だ”というような議論は、率直にいってあまりにも単純すぎて、現代のダイナミックな軍事と政治の脈絡をとらえるには程遠いものがあります。それに何よりも、「国防」を第一義とする軍事組織は、不動のカギなどでは決してなく、いつのまにか自己肥大の運動を始めて、母屋である国を壊したり乗取ったりする怪物になりやすい本性をもっています。 そういう軍事のメカニズムを理解するほか、貴君のいわれる「国を守る」ということの意味が、具体的にはどういうことなのか、それこそ本気で考えてみる必要があります。お手紙では、「安保」によって核抑止が働くから、”核戦争はない”とみてよいように書かれていますし、米軍の援助が来るまで持ちこたえる”最小限の自衛力”でよいのだと考えておられるようです。これらの前提は、防衛当局と同じ考えにもとづくようですが、そのいずれも、いざというとき(有事のさい!)きっと予想はずれになる、たいへん甘い見方です。それに軍じたい、貴君が必要だとされている有事体制を通じて、”立憲民主制”を亡ぼしてしまう危険さえ持っています。いったい「国を守る」とは、どういうことなのでしょうか。
これらの問題については私が今度出した『憲法第九条』という小著のなかで詳しく検討しておきましたので、それをお読みいただき十分に掘り下げてほしいと希望いたします。お手紙によると、貴君は前に自衛隊で勤務をし、そのOBとしていまは隊友会に入っておられるとのことですが、それから推すと小生などよりはずっと若く、前大戦の経験も記憶もない世代に属するようですね。政府や防衛庁の説くところを、ほぼそのまま信奉しておられるのも、無理からぬことと思われますが、この大事な問題については、安易な先入観や古い軍事思想をいちど取り払って、基本的な資料や前提を洗い直したうえで、ぜひ再考していただきたいものです。誠実な貴君のことですから、それによってきっと新しい視点を得て、平和主義へのもっと壮大で確実な展望を得るにちがいないと信じています。
※9/20「平和のための積極的構想」http://ppfvblog.seesaa.net/article/638168.htmlというエントリーで紹介した本です。
その冒頭「序に代えて」として筆者自身この本を贈るにあたって三人の方へ宛てた手紙文のなかの一文。
いったい「国を守る」とは、どういうことか、そして本当の脅威とは何なのだろう。
他にも読んでいる本あるので、併行してぼちぼち読んで行きます。気になる一文ありましたらまたご紹介したいと思います。
2004/10/8追記
反米嫌日戦線 LIVE and LET DIE(偏向不公正独断爺自分趣味)さん
http://ch.kitaguni.tv/u/5028/
よりトラックバックいただきました。
うまくリンクが機能していないようなので、こちらにリンク張りなおします。
「日本内戦」ー大衆の無知と敵意を醸成するものはー辛淑玉の講演より
http://ch.kitaguni.tv/u/5028/%bb%d6%a4%a2%a4%eb%a4%e2%a4%ce/0000111709.html
ついてはいろいろな考え、運動があります。人間の命に
拘わる大変大切な平和ですから私は様々の人たちの意
見を聞いて、自分なりに考えを深め、かって先輩達が
蒙ったような悲惨な経験は二度と味わうような事が無
いようにと、思っております。
最近次のようなWebを発見いたしました。更に平和を
考える場合、参考になると思いますので、URLを下
に記しておきます。
#同Webの9月19日、20日、21日の項目に平和に
#関係する論稿があります。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
「九条の会」を少し調べてみました。分った範囲で
trackbackします。
「九条」を活かそうとする人たちがこんなにも沢山
いるのですね。
コメントおよびトラックバックありがとうございました。
ご紹介のサイトも拝見しました。とても共感できます。
早速リンクに加えさせていただきました。
「九条の会」の活動の盛り上がりは大いに勇気付けられます。