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16日、東京地裁八王子支部は、防衛庁官舎の新聞受けに反戦ビラを入れた市民団体の3被告全員に無罪の判決を言い渡した。この件について敢えて次の二点を指摘しておきたい。
17日の朝日新聞は一面トップでこれを報じた。毎日新聞も大きくとりあげたが読売、日経などは社会面などで小さく扱い、産経に至っては報じなかった(私が見落としたのかもしれないが)。このことから明らかな事は、特定の新聞ばかりを読んでいては判断を間違うということだ。色々な新聞を読んでその違いを比較し、どちらの姿勢が正しいのか判断する力を養うべきだ。そして新聞社の方針や記者の視点、筆力を評価する眼力を持つことだ。立派な記者もいれば驚くほど拙劣な記者もいる。金を払って購読する我々読者こそ最強のメディア批評家であるべきなのだ。
もう一つはこの判決だけで本件を終わらせてはいけないという事だ。この判決だけでは3被告が受けた精神的、肉体的、社会的苦痛が回復されたことにはならない。彼らは一ヶ月以上の捜査の末に逮捕され、さらには75日間も長期拘留された。被告の陳述によると、捜査員の捜査態度は殆ど犯罪的行為に近い。「運動を止めて立川から出て行け」と命じ、「二重人格のしたたか女」、「寄生虫」、「浮浪児」などと侮辱的言葉を吐いたという(17日朝日新聞)。このような言動が何ら問題視されずに放置されていいのか。
「主張が認められなかったのには不満がある」(宇井稔・東京地検八王子支部長)などとのんきなコメントをしている国家権力側に対し、市民側は損害賠償、名誉毀損、権力の乱用などで逆提訴し、何かにつけて市民社会を萎縮させる公安警察の捜査のあり方を問題にしなければならない。市民も攻勢に転じてよいのだ。
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