2006年12月17日

「それでも民主党を支持します」とはあまりに無責任ではないか

国会閉会へ 民主党の顔も見えなかった(毎日新聞社説2006/12/16)
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20061217k0000m070113000c.html

 安倍政権発足後、初の臨時国会が事実上閉会した。改正教育基本法の成立をひたすら急いだ政府・与党は批判されて当然だ。ただ、多くの疑問を残したまま同法が成立した責任は民主党にもある。一体、この国会で民主党は何をしたかったのだろう。同党は今、安倍晋三首相以上に顔が見えない状態にある。

 来夏の参院選での選挙協力をねらって野党共闘を優先するというのが小沢一郎・民主党代表の戦略だったようだ。

 だが、同党は先の通常国会で、「愛国心」に関して「日本を愛する心を涵養(かんよう)」と表記するなど政府・与党の考え方と共通点も多い対案を提出している。どこまで党内意見が一致していたか疑問もあるが、対案を出した以上、教育基本法は改正の必要ありと党として判断したということだ。

 そこが、改正は不要とする共産党や社民党とは根本的に異なっており、元々、共闘には無理があったのではなかろうか。結局、民主党は自らの対案成立を強く求めようともせず、慎重審議を訴えるだけだった。これでは民主党が何を考えているのか、国民には分からない。しかも、民主党の参院側の一部は与党との修正協議を一時は模索するというちぐはぐさだ。

 他の野党に押されて、衆院での内閣不信任案提出では何とか足並みをそろえたものの、民主党の参院側は共産、社民両党が呼びかけた安倍首相に対する問責決議案提出に応じず、最後は共闘も破たんした。与党が国会の会期を4日間延長したのは、「会期延長に追い込んだ」とアピールできるよう民主党のメンツを立てたとも言われている。そうだとしたら、「やらせ延長」というべきであり、かつての55年体制に逆戻りする与野党のもたれ合いではないか。

 成立までの審議でも民主党の影は薄かったことも指摘しなければならない。タウンミーティングの「やらせ質問」問題など安倍内閣を追いつめる材料はあった。ところが、この問題は共産党の指摘で明らかになったものだ。その後、社民党も独自の資料を入手して追及を重ねたのに対し、民主党は「自らの手がらにならない」とばかりに消極的だったのだ。

 民主党は週明けに参院選マニフェストの土台となる基本政策を正式にまとめる。党内の指摘を受けて原案を変更し、年金改革では従来のマニフェストと同様、基礎年金部分は「全額税方式」に戻すが、消費税率は現行の5%を維持するという。増税は選挙にマイナスになるという判断だろうが、財源をどうするのか、与党などから「つじつまが合わない」との批判が出るのは確実だ。

 肝心な点がおろそかになっていないか。国会という表舞台で政府・与党を厳しく追及し、同時に、綿密で魅力のある政策を作っていく。これも大事で、かつ有効な選挙対策ではないのか。

 顔が見えないと言われる首相に対し、野党第1党のこの体たらく。今の政治状況は深刻だ。それが見えてきた国会でもあった。


社説にこうも明確に指摘される民主党の欺瞞は、その支持者が忌み嫌っているはずの自民党に願ってもない力を与えている。
民主党支持者はこのことをどう捉えているのか。
民主党との選挙協力を明確に拒否した共産党に対しては多くの批判がなされてきた。つい先ごろの話である。その拒否の論拠が今回実証されたようなものなのだ。
しかし、そんな厳しい批判も民主党に対してほとんど聞こえてこない。いまだに「共産党批判バナー」などはっているものもいる。
身内に甘いのは自民党だけではないのか。
「それでも民主党を支持します」など夢を追うのも結構だがあまりに無責任ではないか。
普段威勢のいい自民党批判を続けたところで、こんな民主党の態度に沈黙を守っているようでは、信頼に値しない。
それほど民主党の罪は重いと思っている。



posted by PPFV at 12:36| パリ ☀| Comment(8) | TrackBack(7) | 政権交代真理教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この記事、そのまま紹介させてもらうね。
TBも打っちゃうから。
ありがとう、PPFVさん。
Posted by ニッパチ at 2006年12月17日 17:36
おはようございます
民主党をとらえる視点
まったくPPFVさんのおっしゃるとおりだと思います
改正教基法にはハナから「賛成」だったのではないでしょうか
というか、どうだってよかったのでしょうね、きっと、支持者の方も
Posted by しげぞう at 2006年12月18日 08:56
 PPFVさん
 全くその通りの記事です。共産党を黙らせて、民主党を祭り上げる選挙手法は、結局、投票者を騙す「強盗団」と同じだと思います。なぜなら、権力を握った途端に、庶民を裏切るからです。その意味で、政党への評価には、普段からの言動が大事だと思います。
 しかし、民主党を擬似自民党ではなく、反自民党の側に立たせる方策はないのか、未だに微々たる期待は捨て切れません。そうでないと、民主党に投票している庶民が騙されたままで、私たちが無視したことになるからです。
 一緒に考えて下さい。
Posted by morichan at 2006年12月18日 13:32
ニッパチさん
たびたびのTBありがとうございます。
精力的なエントリー敬服します。まさしくご指摘の通り。私の稚拙で舌足らずなエントリーを見事に補完していただき、まさしくTBの真骨頂(笑)
感謝しております。

しげぞうさん
ちょっとご無沙汰しておりました。
メディアの情けなさもさることながら、政治の現場当事者である民主党のこういう態度は直接的に国民を愚弄するものです。
民主党を躍進させて政治を変えようと大いに叫んでいた方々のご意見を伺いたいものです。良かれと思ったにしろ詐欺商法の片棒を担いだようなものですから。

morichanさん
はじめまして。TBまことにありがとうございます。
>一緒に考えて下さい。
そうですね。そうありたいと思います。
しかしながら今までの実績を踏まえた現段階では残念ながら懐疑的にならざるを得ません。
今回の態度についても大いに批判すべきだと思っています(メディア批判の前に)。
民主党支持者の方々にもより一層考えていただきたいですね。
Posted by PPFV at 2006年12月18日 22:21
 ご無沙汰しておりました。M.H.Squareの管理人moonyです。精力的なエントリー投稿に敬服いたします。

 このエントリーの趣旨に大いに同意します。本当に指摘されているとおりだと思います。

 同じようなことはずっと考えていましたが、考えがまとまらずにいました。このエントリーを読んで触発されて、ちょっと角度を変えて考えたことを書きました。
 TBを送らせてもらいましたので、もし趣旨に合わないようでしたら削除してもらってかまいません。
Posted by moony at 2006年12月19日 01:21
moonyさん、こちらこそご無沙汰しております。
TBありがとうございました。
エントリー読ませていただきました。ご趣旨私なりに理解できているつもりです。
反対運動の重要性はご指摘の通りかと思います。実際、決して小さくはない規模の反対運動が幾度も行われたと思います。それを取り上げないメディアともある意味戦わなければならない現実もありますが、政府はそれを全く無視できることはおそらくできないでしょう。それはご指摘の通り強硬に出ざるを得なかったことにも現れているのではないかと思います。
反対運動としての高まりと、それを次のよりよい投票行動に結び付けていくための呼びかけの両輪が大切かと思います。
反対行動の高まっても、次の投票行動であらぬ方向に票が吸収されてしまうのではやり切れません。それで民主党批判です(^^;;
Posted by PPFV at 2006年12月20日 21:18
TBありがとうございました。
憲法を足場に、改悪教育基本法から子どもたちをまもるため、がんばらなければ。
Posted by 田中克美 at 2006年12月20日 23:03
田中克美さん、こちらこそTBありがとうございました。
そうですね、憲法と改悪教基法とは相容れません。憲法を守ることは子どもたちを守り本来の教基法を取り戻すことにもつながると思います。やることは山積みですね。がんばりましょう。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by PPFV at 2006年12月22日 00:54
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