[AML 12837] 東本氏のトリックを批判する(その3)―"(最新ニュースのIZUMI) 浅野,県政に対する赤旗(3月2日付)記事の検証" について
http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-March/012398.html
msq です。
表題:『東本氏のトリックを批判する(その3)―"(最新ニュースのIZUMI) 浅野県政に対する赤旗(3月2日付)記事の検証" について』
資格証明の発行の義務化と数字の報告の開始の年度の相違についての話ほかはありませんでしたが、まっぺんさん が東本氏の文書について判断をする参考になる好適の文書を紹介してくれました。
[AML 12817] 万三さんへのお手紙
http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-March/012378.html
で紹介されている「東京。をプロデュース2007」のWebサイトの志位氏の会見についての批判記事(3月19日掲載)と東本氏が再三掲載された、批判コメントを比較してみました。
(ア)(最新ニュースのIZUMI) 浅野県政に対する赤旗(3月2日付)記事の検証
(3月19日)
http://top2007hp2.exblog.jp/4924080/
(イ)[AML 12695] (再々訂正版)Re: 「赤旗」の浅野批判の誤謬について (3月19日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-March/012259.html
大きな違いは、東本氏の文書にはあった、"総務省が出している『統計でみる県のすがた』" に基づいた志位氏の東北6県の比較についての批判がまったくないことです。これらの部分は「東京。をプロデュース2007」の公式の文書としては問題があると考えたのかも知れません。ほとんど、国保証の取り上げに関することだけですが、こちらは、明らかに東本氏の資料を提示しています。
しかし、東本氏が、2000年の数字が「ゼロ」は浅野県政時代のものだから、本間県政で「ゼロ」だったのは誤りという考察はさすがに排除しています。その代りに、資格証明の発行の義務化が2001年からはじまったから、それ以前の本間県政でも「ゼロ」だっただけという説明をしています。理由はどうあれ、本間県政で「ゼロ」は事実のようです。
そして、実際に資格証明を発行するのは市町村業務であることを強調しているのですが、県が指導をしていることを否定していませんし、横田県議への浅野県知事の答弁でもこの点は確認できるはずです。
◎何で今ごろ
冒頭に
(引用)
浅野史郎氏が、赤旗に書かれているような県政を行なってきたならば、東京をプロデュースはとんでもない人物を都知事にしようとしていることになりますから、記事の出た3日後・3月5日に、事務局長と事務局次長で仙台へ赴き、・・・独自に記事に関する調査を行ないました。
(引用終わり)
これは非常におかしい、迂闊なことです。共闘や統一候補を模索してきたなんてハテナです。つい2週間前の3月5日です。吉田氏が出馬表明をしたのは10月下旬。共産党による浅野県政批判は、容易に入手できる資料でも2003年にはすでにありました。共産党と共闘したい気持ちがあったなら、本来もっと前に調査は行われていたはずです。志位氏の発言は以前の見解を踏襲しています。はじめから、共産党や革新都政をつくる会など眼中になかったのではと思われます。
◎週刊誌の記事によく似ている
以下は、私のトリックに騙されないようにしっかりマユにツバして読んでください。
この記事に使われている表現で「ひっかかるもの」をあげてみます。
(1)現地へ赴いて調べたら現場の反応は違う。
(2)資料を「公正な立場での研究者」が分析している。
(3)結果をマスコミに発表予定。
(4)「真実を明らかにしていく努力を続けたいと思っております。」という常套句。
これらは、『本誌特別取材班、宮城県庁に隠されていた、宇宙人の遺体の衝撃の謎』というような記事、週刊誌の見出しだけビックリの記事の中でよく使われる表現です。何も実質的な分析結果は出ていない。それが出るのはいつだか分からない。せっかく仙台まで出かけて入手した資料の目録くらいは提示できたはずなのにそれもしていない。このような重要な問題では、いつまでにとか、選挙後とか、発表時期を明記することが当たり前のように思うのですがそれがありません。そして結局、「専門家の検証を待たずして言えること」だけ(東本氏の批判をトーンダウンしたもの)を説明しているだけなのです。この文書から受ける共産党と志位氏に対して「根拠はないが何かあやしい」という印象をもつ人もいるかも知れません。
「東京。をプロデュース2007」にとって少なくとも投票日前に公表して有利な情報は発見できなかった(選挙違反を考慮したのかも知れませんが)。結局のところ、志位氏の指摘について「言い訳」ができるとするなら、資格証明の発行は、支払能力があるのに滞納しているさほど多数いない人々に対して効果があるというだけのことではないでしょうか。しかしこれは国民健康保険の本来の趣旨からは本末転倒といえ、基本的人権の尊重に反します。
このように見てくると、"最新ニュースのIZUMI" の "浅野県政に対する赤旗(3月2日付)記事の検証" は 「東京。をプロデュース2007」の公式の文書なのでしょうが、"怪文書" といえるかも知れません。それにしても、文章も、統計資料の表の列がくずれているところなどもお粗末な感じがあります。AML の東本氏のメールによる投稿ですら、表はもっと見やすい(これはこの記事のインチキさについての印象を強めるために書いています)。
少なくとも
吉田万三さんへのお手紙
http://top2007hp2.exblog.jp/4924124/
に書かれているような:
(引用)
3月2日の「赤旗」に、浅野さんに関する志位委員長の厳しい見解が載って以来、共産党から次々と浅野前宮城県政に対する批判が繰り広げられております。
その根拠となっているデータの切り取り方は、正直に申しまして、科学的根拠に基き数々の鋭い指摘をされてきた日本共産党の姿勢とは相容れないものだと感じております。
別紙にてご報告いたしましたとおり、ただ今のところ、専門家の手に委ねるまでもない、国民健康保険の資格証明書交付についてのみにとどめておりますが、いずれ真実が明らかにされることと思います。
(引用終わり)
というほどの勢いの良いものではない。しかし、一切反論をされない東本氏ですが、東本氏の批判のあまり適当とは思われない部分が「東京。をプロデュース2007」ではほぼ割愛されていることは事実です。