2007年04月21日

[JCJふらっしゅ]与党の強行策は、退潮への恐怖にほかならない

Y・記・者・の・「・ニ・ュ・ー・ス・の・検・証・」(JCJふらっしゅ2007/4/13)
http://blog.mag2.com/m/log/0000102032/108449804.html

□■安倍自公連立政権 国民投票法案を議論生煮えのまま強行採決 (1)

 安倍政権が冒険主義で突進した。
 自民党に都合よくできた国民投票法案の強行採決についに走ったのだ。
 12日、衆院憲法調査特別委員会で自民、公明両党の賛成多数で可決、13日、衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決された。16日にも参院審議入りさせるかまえで、憲法記念日の5月3日の成立をもくろんでいる。

 国民の側からの憲法改定への要求は、2、3%にとどまっている。にもかかわらず政治家たちは、不十分な議論、不公正な法案を衆院で強引に可決した。このプロセス自体が、日本国憲法をみごとに貶める行為にほかならない。自民党の暴走に歯止めをかけるとしながら、それをサポートする公明党。同じ改憲志向をもつ議員を体内にいだく民主党の甘さが、もののみごとに暴露された瞬間といっていいだろう。

 もちろん、もっとも甘さを露呈したのは安倍自民党である。
 強行突破の支えとなったのは、「郵政総選挙」時に獲得した大量議席だ。それを背景に、改憲という冒険に乗り出した。この冒険に乗り出した瞬間から、この矛盾は新たな矛盾を生み出していくことになる。

 国民の人気も支持も低迷する一方で、「従軍慰安婦」「沖縄の集団自決」に、日本軍は関与していないとする妄言をはいて米国はじめ国際的な世論から痛烈な批判をあびる安倍首相。その沈滞を脱しようと繰り出した冒険、いや暴走戦術だが、そこには日本社会に集団的自衛権を改憲で認めさせるよう求めてきた、米国の援護射撃をあてにする姑息な姿がある。

 小泉?安倍政権の矛盾は、米国の戦争に追従することが、自民党の結党以来の「悲願」である改憲、自主憲法制定につながるという「計算」がある。しかしながら民主的な手続きを経ない強引なやり方は、政府が国民に戦争をふっかけるようなものである。国民の支持を基盤にしないやり方は、国民からのしっぺがえしを食らうことになるだろう。

 米国の動きも複雑化している。安倍氏の思惑通りの援護射撃は期待できない。安倍自公連立政権は、急速に国際社会から孤立することになろう。日本の戦後民主主義の成熟度、中身がいかばかりであったか、どのようにその中身を積み上げてきたか、そのすべてとの対戦となるだけに、図式的な、頭だけの、安易な独りよがりの論理で、どこまでこの高度情報社会通用するか、みものである。

 国民投票法案→改憲という流れに対して、まず民主党が、小泉?安倍政権の議会制民主主義無視のやり方に反旗をひるがえした。改憲について「憲法9条堅持」をかかげる公明党も、世論無視、情勢無視で突き進む安倍政権の動きにゆれている。

 その背景に幅広い改憲反対の世論、日本国憲法は世界の宝とする世論の広がり、運動の広がりがある。改憲に向けた国民投票法案の議論について、護憲派のなかで「国民投票法案に賛成、反対」があり、「公正な国民投票法案」を期待するむきもあったが、その論理さえ裏切る突出した冒険主義に、この政権の本質をみることができる。

 12日の委員会での強行採決について、民主党の鳩山幹事長は「強行姿勢に転じることで安倍政権の評価が上がると錯覚しているのではないか」(13日付朝日新聞)、共産党の志位委員長は「真っ当な国民投票では到底勝ち目がないと、こういう仕掛けを作っている」(同)、社民党の辻元清美衆院憲法調査特別委員会委員は「安倍首相のタカのツメだけでなく、角も牙も出てきた。憲法を総理大臣が私物化している」(同)と批判を強めている。

 暴挙に対して、政治家から数々の名言が飛び出していることがわかる。
 いまや現在の異常な国会の姿を伝える表現のなかにこそ、日本社会の過去・現在・未来が包含され、未来に向けたエネルギーが詰め込まれていく。それを市民とジャーナリストの手で、もっともっと大きく膨らませ、積み上げていくことが、日本国憲法の時代に生まれ、その危機に直面している私たちのとって歴史的な使命であるといえるだろう。

 自民党は、これまでの遺産で生きながらえているようなもので、いまや国民からそっぽをむかれている。その顕著兆候が、先日の統一地方選挙前半戦であらわとなった。ブッシュ政権に寄り添ってきた自民党凋落のときが近いづいている。もはや自民党は自民党ではない。その実態が暴露されれていくなかで、寄り添ってきた公明党、そして民主党のこれからが問われることになろう。

 安倍政権による強引な国民投票法案成立の動きは、みごとに自民党の「最終章」への突進にほかならない。冒険主義で先細る安倍自民党、中身の先細りは、そのまま支持の先細り、勢力の先細り、潜在能力の先細りへとつながっていく。

 戦争のできる日本へむけ、改憲勢力「3分の2」の確保は無理と悟ったのだろう。この暴挙は、まさにそれを指し示しているのだろう。参院選の意味が、急激に拡大してきた。今後は、それにみあった勢力しか与える必要はない。それ以上与えることは、国民の自殺行為となる。

 この法案は、公務員の口と行動をふさぎ、かつ投票率など関係なく、有効投票数の過半数という非民主的なものである。まっとうな民主主義さえ守れない、まっとうな言論表現の自由さえ恐れる姿が、くっきりと浮かんでいる。ここに、現状の数だけ頼りのこの政権の、焦りと弱点がみごとに凝縮されているのである。


■与党の強行策は、退潮への恐怖にほかならない


 5月に在任10年を迎える英国のブレア首相、5月初旬にも退陣を正式し、夏にも退陣することになりそうだ(7日付英ガーディアン紙)。

 英オブザーバー紙によると、「ブレア首相の在任期間は長すぎた」とする人が世論の6割近くを占めるほどになっている。またブレア首相の「最大の失敗」は、58%が「イラク戦争」と答えている。

 英国は97年に比べて暮らすのに良い場所になったか」との質問には61%が「そうは思わない」と回答、英国は10年前に比べて「危険になった」と考える人が61%にのぼっている。米ブッシュ政権に加担してイラク戦争に乗り出したブレア首相に対して、国民から厳しい審判が下されたといえる。そのブッシュ政権も、米国内で孤立に追い込まれているのはご承知のとおりだ。

 また4年前に侵攻を受け、米占領下にあるイラクでは、9日、数十万人が「反占領デモ」に参加、米軍の撤退を厳しく要求した。3月にも、英BBC放送がイラク全土で世論調査を実施、「米軍駐留で治安悪化」とする人が69%に達し、米英両軍をまったく信頼しないという人が82%に上ることが明らかになった。米軍駐留が治安を改善させているとする人は21%にすぎない。

 日本国内でも米国のイラク政策に対する批判は高い。ブッシュ大統領が1月に打ち出した米軍増派について、「イラクの治安安定につながらない」と見る人が70%に達し、また、イラクへの自衛隊派遣を続けることに「反対」が69%を占めている(3月、朝日新聞)。

 安倍内閣はブッシュ政権のイラク政策に対して「これまで通り協力を続けるべきだ」は18%、「協力を見直すべきだ」は69%に上っている(同)。にもかかわらず、安倍政権はイラク復興支援特別措置法を2年間延長するための改正案を国会に提出、安倍首相は26日からの訪米に続いて、イラクでの航空自衛隊の空輸活動の拠点クウェートなど中東5カ国を訪問することにしている。

「派遣延長には、実は、混迷から抜け出せないイラク情勢で、苦境に立たされている米国のブッシュ政権の側面支援といった意味合いもある」(5日、産経新聞)と報じられている。英ブレア首相はじめ、米国のイラク政策と一線を画す国が相次ぐ中、「同盟」国の存在がどうしても必要なブッシュ政権を慮って、相変わらず日本の自公連立政権は、国民の声を無視して、米政権の顔色ばかりうかがっている。

 それで恩を売るどころか、安倍氏の極端な二枚舌と独りよがりの発言は、米国はじめ世界中のメディアから痛烈な批判を浴び、訪米を前にふうふうの体でブッシュ大統領に電話会見でサポートしてもらう始末。日本政府の、どうにも締まらない体たらくをさらけだしている。

 そんななかで行われた統一地方選挙、都知事選の勝敗ばかりにメディアは注目したが、道府県議選で自民党は100近い議席を失って惨敗、民主党が都市部を中心に大躍進を果たした。「平成の大合併」の影響で議員数が減っているなか共産党、社民党は実質微減でもちこたえた。

 民主党の存在が、ようやく旧来の自民支持層に浸透しつつある。
 自民「お灸」票が共産党や社民党にとどまらず、民主党に顕著に集まり始めたことは、一時的な「お灸」票から自民党にかわる「代替案の発見」へと結びついていくことになるだろう。

 その流れは、民主党に代替案を求めながら、自民党に擦り寄ることを奨励してやまない(=つまり本質的には民主党に万年野党を強いる)読売新聞など政府御用新聞のご都合主義(特に社説)を事実として打ち破っていくことにつながる。

 「改革」の名を弄しながら、実質的には大本営の時代へと時代を誘ってきた、現代の大本営こそ、その実態を暴露されねばならない。

 自民は1212人が当選したが、議席の減少を過半数の1273にとどめることはできなかった。自民党への批判票が野党同士の共食いを引き起こし、自民が逃げ切るというかたちにはっきりと歯止めがかかりつつある。自民への批判が自民党議員の落選に直接、多数つながっているのだ。

 統一地方選「前半の部」は与党が優勢などとする報道に惑わされていてはいけない。
 そのような論理は、政権が決定的に瓦解するまで続けることができる。

 小泉政権のイラク戦争「追従」に組しなかった全野党は、無軌道な戦争準備政策に突っ走る小泉?安倍自公路線を政権から引き摺り下ろす権利を有している。民主党、国民新党が自民党の牙城を食い破って拡大し、共産党、社民党がそれぞれの陣容拡大へと転じることで展望を切り開ける。

 連携は単純な数合わせの発想ではなく、地域のこれまでの政策面での基盤、協調関係をベースに、相互にwin?winの関係にもちこめるところから積極的に模索していくべきだろう。沖縄の補選や、東京の文京区長選(社民党区議が区長選立候補、共産党区議が全面支援=ベースは05年設立の「文京区議会・九条の会」/背景にある市民的な交流、日常的な共闘関係構築の努力を評価したい)など具体的な動きに注目していきたい。


 もはや成熟した民主主義社会の政権を担う政党として、ふさわしいとは到底言いがたくなった安倍自民党。メディアはそれに口をつぐんでいれば、自らの存在意義が足元から崩壊する局面を迎えている。いま伝え、言うべきこと言うメディアと市民こそが、次代を明確に切り開いていく存在となるのである。

 安倍政権の国民投票法案強行採決 は、まさに小泉?安倍・ブッシュ屈従政権の「終わりの始まり」である。まさにこの政権の内部矛盾を露呈しているのであり、市民とジャーナリストがスクラムを強めれば強めるほど、その死期は早まるのである。それを阻止しようとするマスメディアの恣意的な怠惰、積極的な暗躍に対して、さらなる徹底チェックをお願いしたい。

 市民の無関心に乗じて、市民の要求とはかけ離れた体制作りを急ぐ、安倍自公連立政権のあがき。この無理は、民主主義の枠組みそのものを破壊する無理なのである。



posted by PPFV at 01:02| パリ | Comment(0) | TrackBack(4) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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