2008年03月19日

他人は裁けても自分は裁かない悲しき司法〜横浜事件

この判決についてはもちろん各紙問題視しているが、その捉え方にはずいぶんと開きがあるようだ。いくつかの社説の中からわかりやすい一文を拾ってみる。

横浜事件判決 過ち直視せぬ決着では(中国新聞社説2008/3/15)
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200803150163.html

 悲劇を繰り返さないためにも、過去に学ぶ必要がある。汚点を自らぬぐう機会を失っただけではない。新たな汚点を重ねたことを司法は心に刻むべきである。


↑わたし的には最も納得できた社説。問題の本質をついてるのではないか。

横浜事件再審―過去の過ちに背を向けた(朝日新聞社説2008/3/15)
http://www.asahi.com/paper/editorial20080315.html#syasetu2

最高裁は国民の信頼を得る好機をみすみす見逃したというほかない。


↑「国民の信頼を得るチャンス」だったとは甚だ大甘。過去の過ちといってもそれは自らの過ちなのである。それに背を向けることがいかに危険か。

横浜事件 最高裁判決から何を学ぶか(読売新聞社説2008/3/15)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080314-OYT1T00995.htm

 戦時下のでっち上げによる言論弾圧に対し、元被告側がはっきり無罪を宣告してもらいたかったという心情は理解できる。だが、法律や判例を超えることはできず、致し方のない結論だろう。


↑まったくヒトゴトである。もっともこの判決自体が「ヒトゴト判決」だったわけだが。
posted by PPFV at 19:14| パリ ☁| Comment(2) | TrackBack(3) | ニュース拾読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうなさっていたのかと心配しておりました。

議論に入ると都合が悪いものは、門前払い。今回に限らず、こういうことになると、最高裁はその存在意義を自ら否定してしまうんですよね。

私は、メジャーなマスコミには、なにも期待していません。

ヒトゴトと云えば、わがオッパッピー首相、これほど能無しだとは思わなんだ。
Posted by 梁 骨太 at 2008年03月26日 13:31
ご無沙汰しております。

毎度のことながら落胆させられます。
国民審査オール×これもおばあちゃんの知恵袋ならぬ生活の知恵ですかね。
Posted by PPFV at 2008年03月26日 20:55
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横浜事件判決−忘却を強いる免訴という手続き。
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Weblog: 花・髪切と思考の浮游空間
Tracked: 2008-03-20 05:17

横浜事件最高裁判決★当然の「免訴」判決に向けられた荒唐無稽な朝日新聞社説
Excerpt: <font size=3><font color=red> ●2008年03月15日(土曜日)付社説 ●横浜事件再審―過去の過ちに背を向けた</font> &..
Weblog: 松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG
Tracked: 2008-03-20 15:20

円高・株安・外貨準備高1兆ドル・消費低迷
Excerpt:  すごい勢いで対ドルで円高が進んでいる。そして、サブプライム問題に発してアメリカ経済の低迷が始まり、そこに頼る経済構造を持つ日本の株価も急落している。さすがに、この円高に対して2001年から2004年..
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