先日取り上げた毎日新聞の世論調査に関して、『「今すぐ廃止すべきだ」と「時間をかけて減らすべきだ」を合わせると85%もの世論が「原発の縮小・廃止」を求めている』それこそが重要との論調がありますが、このような状況ですから「推進か縮小・廃止か」と問われれば、そりゃ「縮小・廃止」と答えたいのが人情でありましょう。あたりまえのことです。
と思えばこそ、この絶好機に一気に反原発派としての「実績」を残したいんでしょう?
などと穿った見方もしたくもなりますが、それはさておきます。
私はむしろ、そんな状況の中、さらには色々な危機を煽られる中で、「とにかく原発はコワい、すぐにでも止めてくれ」という声が思いのほか少なかったことに少し安堵し、「時間をかけて減らすべき」という74%の世論を冷静で賢明な判断だと思ったわけですが、「とにかく85%は縮小・廃止だ」と言う人は、なぜ74%の人が「時間をかけて」と思っているのか?ということにはを気を止めないようです。
「縮小・廃止」を訴えるひとにはその道筋をどのように考えているのかを是非うかがいたいところではありますが、たとえば被曝労働の問題ひとつとっても「原発をなくせばすべて解決」というわけではないでしょう。むろん原発なくせば「原発による被曝労働」は起こりようもありませんが、それは「汚いトイレはトイレをなくせばすべて解決する」と同等のシンプルさです。なくすことによる弊害への考慮とか、あるいは杜撰な安全管理の問題とか、そもそも根底に横たわる労働問題のこととか、素人目に見ても解決されるべき問題は山ほどあるように思えます。
いくら「原発反対すぐやめろ!」といわれても、実際「原発を縮小・廃止」するための数々の問題を解決していくのは「すぐやめろ」と言っている人たちではなくて、きっとそんな人たちが忌み嫌う「東電」の人たちもそんなひとりだったりするのでしょうが、原発停止による電力確保に奔走する電力会社への意識もなく(たとえば台風の時なんかの停電対応など電力確保に対する執念みたいなもの垣間見れることありますよね、電力会社)「電力は足りてる」などといっている人に解決策への冷静な議論など期待できるのでしょうか。
最初の話に戻りますが、「時間をかけて減らすべき」という道筋の中には、たとえば「時間をかけて」というからには当然その間の原発稼動を前提にしているし、そのためにはより強固な安全対策がなされなければならないとか、原発を減らすための道筋として稼動率の悪い老朽原発を最新原発に更新することで稼働率を上げ総数として原発を減らしていくとか、またそのことで安全性がより高められるとか・・・などなど、本来問題解決には色々なアプローチが検討されるべきだと思うわけですが、とにかくなくすが先とは、そりゃあんまりです。私も「時間をかけて減らすべき」という意見には賛成ですので、その目的には決して逆行する考えだとは思っていませんが、もしかするとこんな考えも隠れ推進派として目の仇にされるのでしょうかね。
posted by PPFV at 20:46| パリ ☁|
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